民事信託・家族信託等の不動産相談

レジスタでは、最近注目を浴びている民事信託(家族信託)や相続対策など不動産に関わる様々なご相談を受け付けております。

近年では「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者となり、人口の約20%が後期高齢者となる「2025年問題」がマスコミやインターネットにより多く報道されております。

これら報道により高齢者ご本人やご高齢者を支えるご家族の問題意識が鮮明になり、地域の多くの方から不動産を中心とした様々な相談を承っております。

しかし、このようなご相談は不動産(宅建業法)だけにとどまらず、相続税・贈与税・建築基準法などの法律や介護・医療など高度な専門知識を兼ね備えないと対応できないご相談が多く散見されます。

弊社の専門は不動産や建築ではありますが、弁護士事務所・税理士事務所・介護関連の事業所などの専門家と連携し、ご相談者皆様の根本の課題まで解決したいと考えております。

民事信託・家族信託はまだ裁判所の判例が乏しくまだまだ不動産業界や金融機関にも深くは浸透しておりません。

遺言制度や後見人制度に比べるとフレキシブルな対応が取れることから今後普及していくことは間違いありません。

下記ご相談事例をご紹介しておりますので是非ご参考にしてください。

ご相談事例「70代 男性:浜田様 認知症対策」対応:不動産×弁護士

■ご質問

賃貸アパートと金融資産を持っているのですが、最近人の名前が覚えづらくなってきて物忘れも多くなってきている気がします。

もし認知症になった場合、相続対策で開始した賃貸アパート経営や金融資産運用はどうなってしまうのでしょうか?

息子は早めに成年後見制度を利用した方が良いと言っているのですが、友達の石田さんの息子さんは、成年後見制度はお金もかかるしいろいろ面倒だと言っていました。

■回答【弁護士×不動産】

不動産)レジスタ合同会社 担当 小島 ※以下小島

弁護士)弁護士法人 法律事務所 Astia  奥野弁護士 ※以下奥野

不動産オーナー
浜田様

賃貸アパートを所有する不動産オーナー。株式などの金融資産も保有。もし自分が認知症になった場合の資産についてが現在の悩み。


弁護士法人Astia
代表弁護士 奥野 剛

レジスタ合同会社の顧問弁護士でもあり、一般の法務に加え、相続や民事信託(家族信託)を得意とする。

レジスタ合同会社
担当:小島 正資

前職は建築会社・不動産ディベロッパー・不動産管理会社。現在は弊社にて代表として不動産売買と建築営業に従事。

小島⇒確かに、これまでの認知症対策=成年後見制度の利用というのは一般的なのですが、浜田さんのおっしゃられる通り、近年ではその成年後見制度の面倒で使いづらい点も問題視されていますよね。

月々の費用負担で家計を圧迫することもあるようですし。

そもそも認知症になると銀行口座が凍結されてしまうことや不動産の売買はもちろんのこと、定期預金の解約もできなくなるなどをご存じない方が結構いらっしゃいますね。

本日はそう言った高齢者問題に詳しい弁護士の奥野先生をお呼びしておりますので簡単に教えていただきましょう。

奥野⇒浜田さん初めまして、弁護士の奥野と申します。

浜田さん、こういった問題意識を持たれること自体とても素晴らしいことです。浜田さんや浜田さんのご家族がご安心できるような分かりやすいご説明が出来るよう努めさせていただきますので、本日はよろしくお願いします。


浜田⇒こちらこそ、よろしくお願いします。


奥野⇒賃貸アパートや金融資産の資産価値は常に変動しますので、いつでも対策をとれるようにしとかなければなりません。ここでいう対策は、賃貸アパートの場合は常に築年数が加算されていき老朽化していきます。そういった場合はせめて見掛けだけでも綺麗にしておかないと、新たな入居者が入らなくなるリスクがありますよね。

金融資産も決済や転売時期というのは社会情勢影響を受けますので、柔軟な判断が必要です。


浜田⇒そうですよね。私の名義ですので、そもそも私が認知症になったらそういった手続きが出来なくなると聞いたので…代わりに正しい判断が出来る人に任せたいのですが、成年後見制度の利用は何か問題があるのですか?


奥野⇒成年後見制度の目的は「成年被後見人の財産の保護」ですので、成年後見人の利益になることしかできません。これは言い換えれば「確実に成年被後見人の利益」にならないといけないのです。

例えば、浜田さんの金融資産が株だった場合、取得した時期よりも価値が上がっていたとしても、今後さらに、上昇する可能性はゼロではないですよね?


浜田⇒はい、確かに相場の世界で絶対はないので未知数な部分があります。つまり、今後もっと運用益が取れるかもしれないことをリスクと捉えるのですか?


奥野⇒はい。家庭裁判所はそのような判断になりがちです。また、浜田さんのアパートの大規模修繕に関しても、修繕したからといって入居者が入る保障はありません。入居者が入らなかった場合は、単に浜田さんの資産を減らすことになりますよね?


小島⇒確かに、入居者が増える確証はないですが…。とはいえ定期的な修繕や大規模修繕を行わないと美観も損なわれ建物の資産価値も下がるし相対的に状況が悪くなるでしょうね。


奥野⇒ごもっともです。しかし、成年後見制度上、財産を減らすことや、財産の運用であっても財産をリスクにさらすことは、浜田さんの利益にならないと判断されるので、そういった未確定な決済や新たな投資などは家庭裁判所が認めてくれにくいというのが成年後見制度の特徴です。


小島⇒基本的に現状維持の観点が成年後見人制度の特徴ですからね。


浜田⇒なんか、とても成年後見制度が不便な制度に思えてきました。

これ以外にも成年後見制度で出来ないことはあるんですか?


奥野⇒そうですね。

1、お孫さんが大学に合格したら、お祝いに100万円あげたいとか

2、老後に豪華な老人ホームに入ることはまず難しいと考えられます。

浜田さんの財産を必要以上に減らしてしまう可能性があるという判断から、家庭裁判所は認めてくれない傾向です。


浜田⇒孫はかわいいですし、息子の家族のためにも相続対策は続けたいと思っているんですが、成年後見人制度以外でなにか今から対策出来ることはありますか?


奥野⇒もちろんです。浜田さんは「信託」っていう言葉は聞いたことはございますか?


浜田⇒信託銀行に財産を預けるあの「信託」ですか?手数料を払って銀行を使うべきなんでしょうか?


奥野⇒いいえ、信託銀行に預ける「信託」もありますが、今回は、家族間で行う「民事信託(家族信託)」というものをおすすめします。家族間なので、手数料なしでもできますよ。浜田さんは信頼できるご家族はいらっしゃいますか?


浜田⇒長男の太郎が頼りになります。成年後見制度を利用するなら、太郎に成年後見人をお願いしようと思っていたくらいです。信託はどういったものなんですか?


奥野⇒はい。まず浜田さんが太郎さんとこのような信託契約を締結します。

<認知症に備えた利用法>

委託者 :浜田さん

受託者 :太郎さん

受益者 :浜田さん

信託財産 :賃貸アパート、その他金融資産等

信託終了事由・残余財産の帰属権利者 :浜田さん死亡により終了し、残余財産は太郎さんに帰属する

このような信託契約を締結することで、信託された信託財産は民法上、受託者である太郎さんのものになり、したがって信託財産にかかる契約や手続きは太郎さんが行うことになります。

信託契約後に浜田さんが認知症になっても、財産管理に支障は出ません。浜田さんの判断能力がしっかりしているうちに、ある程度想定できる状況に対して浜田さんの意思を反映できるように、財産の管理・運用・処分方法を盛り込んだ信託契約を締結しておけば、成年後見人制度のような財産処管理・運用・処理で支障が出ることはありません。


浜田⇒なるほど。信託財産が太郎のものになるとのことでしたが、贈与するということにならないのですか?

贈与税が気になります。


奥野⇒ここが信託のポイントになるのですが、信託財産は、民法上は受託者の太郎さんが所有者になりますが、税務上の所有者は浜田さんのまま変わりませんので、信託の効力発生時に課税関係は生じません。


浜田⇒そうしたら相続税の特例も通常通り適用されるんですね。それは安心です。しかし、太郎はお店を経営しています。もし破産したら、この私が信託した財産も差し押さえられることになるのでしょうか?


奥野⇒それもご安心ください。信託財産は受託者名義になりますが、受託者財産とは区別して管理されます。

信託財産である旨とその信託目録は登記されるので一目瞭然で安心ですよ。

太郎さんが破産されても信託財産に影響なく、当初の信託目的に沿って目的を達成することが出来ます(倒産隔離機能)。


浜田⇒それは安心ですね。

私が認知症になっても、太郎が自身の財産と分けて、私の財産を当初の目的に沿って運用・管理・処分をしてくれるんですね。

是非これで認知症対策をしたいと思います。

さっそく太郎に受託者になってくれないか相談してみます。


奥野⇒そうですね。これは太郎さんの協力が必須になりますので、丁寧に思いを伝えてみてください。

今後、このような「万が一の認知症に備えて、元気なうちに信託の活用を検討する」といった家族信託が増えて当たり前になる時代が来るかもしれません。

そもそも、ご家族にお願い出来る関係性が一番重要です。家族が仲良くないとできないのが「民事信託(家族信託)」になりますので、やはり家族円満は大切ですね。


小島⇒浜田さんは太郎さんと信頼関係が築けているから安心ですね。


浜田⇒そう言われると。ドキドキしてきました。太郎がすんなり引き受けてくれるといいんですが(笑)。

奥野先生、太郎の了承が得られたら、もう一度ご相談させていただいてもいいですか?


奥野⇒はい、小島さんに言っていただければ、またここで時間を合わせて立ち会いますので、いつでもお声掛けください。

次回は具体的な信託契約について一緒に考えていきましょう。


小島⇒浜田さん、本日はお疲れ様でした。良いお話が聞けて良かったですね。


浜田⇒小島さん、奥野先生、本日はありがとうございました。またご連絡させていただきます。


いかがでしょうか?こういった些細なご相談から、根本のお悩みまで丁寧にご相談に応じさせていただきます。

弊社は各専門家と連携して、ご相談者の最善の「幸せ」と「安心」を追及させていただきますので是非お気軽にご相談ください。


■認知症に潜むリスク

認知症になるとさまざまな法律行為(商取引、贈与、相続対策、不動産売買など)が制限られることになり、資産をお持ちの方には大きな障害が生じます。

〇 会社経営者の場合、認知症になると、さまざまな法律行為 (会社法による手続き行為、商取引、贈与、相続対策、不動産売買など)が制限されることになり、経営に大きな障害がでます。

〇 不動産オーナーも、大規模修繕、建て替え、売却などの一切の法律行為が できなくなるため、認知症対策が会社経営者同様に必要です。

〇 亡くなった後、誰が不動産(会社)を受け継ぐかという、よくある紛争のケースでは・・・「生前、父は私に○○を相続すると言っていた!」  しかし、遺言は見つからず争相続に...。

  認知症になってからでは遺言も信託もすることができません。

〇 土地が希望以上の価格で買い手がついた時、認知症になっていると売りたくても契約ができません。

〇 認知症になり成年後見制度を利用した場合でも、その後に、賃貸アパートの建築などリスクが伴う投資や、新たな相続対策ができなくなります。

 また、孫への結婚資金の贈与など、本人以外のために本人の財産を使う事も認められられない場合があります。

〇 相続対策を継続させることができなくなる可能性があります!

認知症になる前に、事前に意思を明確にし、認知症発症後も手続きがとどこうることがないように対策が重要になります。



委託者が認知症になる場合に備えて、多くの場合は親族が受託者になるのが一般的です。

その他、親族で一般社団法人を新規に設立し、それを受託者にするケースもあります。

親族が受託者になる場合、親族の成年後見での着服がニュースとなるように、親族に任せるだけでは心配な側面もあります。

その場合は他の親族や信頼できる専門家などの「信託監督人」を付けて受託者を監督することも可能です。




不動産オーナー様が認知症と診断されると意志判断能力が失われてしまい資産活用ができなくなってしまいます。

民事信託はこの事態を未然に防ぐことができるため、かなり融通の利く制度であると言えます。

信託銀行等が取り扱う信託(商事信託)とは異なりますのでご注意ください。

家族が受託者となって資産を管理する場合には民事信託の範囲内でとり行えますし、受託者が報酬を得ることも可能です。

また、家族間の契約で資産管理が行えるため自由度が高く、資産承継の道筋が遺言よりも具体的に設定できるため相続対策としても高い効果があります。

レジスタは提携弁護士と共にお客様の民事信託を通じた資産管理をお手伝いさせていただきます。