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登記簿と実際の建物が違う?相続不動産の売却前に判明しやすい問題

親御様から実家や建物を相続し、売却を検討する際、登記簿を確認して初めて問題が見つかることがあります。

その一つが、登記簿に記載されている建物の内容と、実際の建物の状況が異なっているケースです。

例えば、

「登記簿では木造2階建てなのに、実際は3階建てになっている」

「登記簿の床面積よりも、実際の建物が広い」

「親が昔増築した部分が登記されていなかった」

「登記簿に記載されている建物が、現地には存在しない」

「敷地内の倉庫や車庫が登記されていない」

といったケースです。

長年住み続けていた実家であっても、登記内容が現在の建物の状況を正しく反映しているとは限りません。

また、相続人が建物の建築経緯を把握していないことも少なくありません。

では、登記簿と実際の建物が異なる場合、そのまま売却できるのでしょうか?

結論から申し上げると、登記簿と現況が一致していなくても売却できる可能性はあります。ただし、不一致の内容によっては登記の修正や建築関係の調査が必要になり、買主の融資や売却条件に影響することがあります。

今回は、相続不動産の売却前に判明しやすい登記と建物の不一致について、不動産会社の立場から解説します。

 

1.建物の登記簿には何が記載されている?

建物の登記事項証明書には、主に次のような情報が記載されています。

  • 所在
  • 家屋番号
  • 種類(居宅・店舗・事務所・共同住宅など)
  • 構造(木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造など)
  • 屋根の種類
  • 階数
  • 各階の床面積
  • 所有者に関する事項
  • 抵当権などの権利関係

このうち、建物の物理的な状況を示す部分を「表題部」といいます。

建物を増築したり、一部を取り壊したり、構造や用途を変更したりした場合には、登記事項に変更が生じることがあります。

一定の変更については、原則として1か月以内に変更登記を申請する義務があります。

しかし、実際には変更登記が行われないまま、長年使用されている建物もあります。

 

2.登記簿と実際の建物が違う主な5つのケース

① 増築した部分が登記されていない

比較的よく見られるのが、増築部分の登記漏れです。

例えば、登記簿上の床面積が80㎡なのに、実際には100㎡程度の建物になっているケースです。

親御様が過去に部屋を増築したものの、登記を変更していなかった可能性があります。

この場合、建物表題部の変更登記が必要になることがあります。

ただし、増築部分が未登記だからといって、直ちに違法建築と判断されるわけではありません。

建築確認の要否や建築基準法への適合状況については、別途確認が必要です。

② 登記簿の階数と実際の階数が違う

例えば、登記簿では2階建てとなっているのに、現地では3階建てになっているケースです。

屋上に部屋を増設したり、小屋裏を居室として使用したりしている場合などが考えられます。

ただし、建築基準法上の階数と不動産登記上の階数の判断は、必ずしも同一ではありません。

そのため、単に見た目だけで登記が誤っていると判断することはできません。

建物の構造や利用状況を確認したうえで、専門家による判断が必要になります。

③ 建物の構造が登記簿と異なる

登記簿では木造となっているものの、実際には一部が鉄骨造になっているケースなどです。

建築後の改修や増築によって構造が変更されている場合があります。

ただし、一部に鉄骨部材が使用されているからといって、必ず登記上の構造変更が必要になるわけではありません。

建物全体の構造や登記の取扱いについて、土地家屋調査士などに確認する必要があります。

④ 敷地内の附属建物が登記されていない

実家の敷地内に、倉庫や車庫、離れなどがあるケースです。

建物として登記すべきものなのか、母屋の附属建物として登記するものなのかなど、状況によって取扱いが異なります。

また、簡易な物置など、そもそも建物登記の対象とならないものもあります。

⑤ 取り壊した建物の登記が残っている

現地には建物が存在しないのに、登記簿には建物が残っているケースです。

例えば、親御様が古い倉庫を解体したものの、建物滅失登記を行っていなかった場合などです。

建物を取り壊した場合には、原則として1か月以内に滅失登記を申請する義務があります。

売却前に登記内容と現況を確認し、必要に応じて手続きを進めることが重要です。

 

3.登記簿と現況が違う建物は売却できる?

登記簿と現況が異なるからといって、売買契約が一律に禁止されるわけではありません。

ただし、不一致の内容によっては、売却前または引渡しまでに登記を整える必要が生じることがあります。

例えば、

  • 買主が住宅ローンを利用する
  • 金融機関から登記内容の修正を求められる
  • 売買契約で登記内容の是正を条件とする
  • 建物の所有権移転や担保設定に支障がある

といった場合です。

また、買主が建物を解体する予定であれば、登記を修正するよりも、解体後の滅失登記を含めた方法を検討することもあります。

重要なのは、登記簿と現況が違うという理由だけで売却方法を決めず、買主の利用目的や建物の状態を踏まえて判断することです。

 

4.登記の不一致は住宅ローン審査に影響する?

登記簿と現況が一致していない建物では、買主の融資に影響する可能性があります。

金融機関は住宅ローンの審査において、建物の担保価値や権利関係、建築基準法への適合状況などを確認します。

例えば、

「登記簿では80㎡なのに、実際には100㎡の建物がある」

という場合、金融機関から増築部分について説明を求められることがあります。

また、建築確認関係書類や、建物表題部の変更登記などを求められる場合もあります。

特に、未登記の増築部分が建築基準法上の問題を伴っている場合には、融資が難しくなることも考えられます。

ただし、金融機関によって審査基準は異なります。

登記内容の不一致がある建物では、売却活動を始める前に、買主の融資にどのような影響があるか検討しておくことが重要です。

 

5.登記簿と現況が違う建物は、違法建築なの?

ここは混同されやすいポイントです。

登記簿と現況が一致していないことと、建築基準法に違反していることは、同じではありません。

例えば、適法に増築したものの、変更登記をしていなかったというケースもあります。

一方で、増築時に必要な建築確認を受けていなかったり、容積率や建ぺい率を超過していたりする可能性もあります。

また、建築当時は適法だったものの、法改正などによって現在の基準に適合しなくなった「既存不適格建築物」というケースもあります。

そのため、次の3つは分けて考える必要があります。

① 登記内容と現況が一致しているか

② 建築確認関係書類と実際の建物が一致しているか

③ 建築基準法などに適合しているか

不動産売買では、これらを総合的に確認することが重要です。

 

6.固定資産税の課税面積と登記簿の面積が違う場合もある

相続不動産では、固定資産税の課税資料と登記簿の床面積が異なる場合もあります。

例えば、

  • 登記簿の床面積:80㎡
  • 固定資産税の課税床面積:100㎡

というケースです。

市区町村が未登記の増築部分を把握して課税している可能性があります。

ただし、課税上の床面積と登記上の床面積は、算定方法などが異なる場合もあります。

そのため、面積が異なるという理由だけで、必ず未登記増築があるとは判断できません。

登記事項証明書、固定資産税関係資料、建築確認関係書類、現地の状況などを照合することが大切です。

 

7.登記内容を修正するにはどうすればよい?

建物の表題部について変更が必要な場合には、土地家屋調査士へ相談することが一般的です。

例えば、増築によって床面積が変わっている場合には、建物表題部の変更登記を検討します。

一般的には、次のような流れになります。

① 登記内容の確認

登記事項証明書や建物図面などを確認します。

② 現地調査

建物の形状や床面積、構造などを調査します。

③ 過去の資料の確認

建築確認関係書類、図面、固定資産税関係資料などを確認します。

④ 必要な登記の判断

変更登記や更正登記など、状況に応じた手続きを検討します。

⑤ 登記申請

必要書類を整えて法務局へ申請します。

なお、単なる登記の記載誤りなのか、建築後に実際の建物が変更されたのかによって、手続きが異なります。

また、相続登記が終わっていない場合には、申請人や必要書類についても確認が必要です。

 

8.登記の修正には費用や時間がかかる?

登記内容を修正するための費用や期間は、不一致の内容によって異なります。

例えば、

  • 増築部分の面積を測定する必要がある
  • 古い建築図面が残っていない
  • 建物の所有関係が複雑
  • 相続登記が終わっていない
  • 建築当時の資料を確認する必要がある

といった場合には、調査に時間がかかる可能性があります。

土地家屋調査士による調査・測量などの費用も、建物の規模や状況によって異なります。

また、建築基準法上の問題が判明した場合には、登記の修正だけでは解決しないこともあります。

そのため、売却を検討する段階で、必要な調査や費用の見通しを立てることが重要です。

 

9.登記簿と現況が違う場合、売却価格にも影響する?

登記内容の不一致が売却価格に影響することもあります。

例えば、建物の状態が良好で、登記を整えれば一般の住宅購入者へ売却できる場合には、登記手続きを進めることで買主の選択肢が広がる可能性があります。

一方で、建物が老朽化していたり、増築部分に建築基準法上の問題があったりする場合には、買主が限定されることも考えられます。

また、建物を解体して土地として売却する方が合理的な場合もあります。

重要なのは、登記を修正するための費用と、修正することによって期待できる売却条件を比較することです。

必ずしも、売却前にすべての登記を修正することが最善とは限りません。

ただし、法令上必要な登記手続きがある場合には、その義務を踏まえた対応が必要です。

 

10.相続登記が終わっていなくても調査や査定は可能

「まだ相続登記が終わっていない」

「親が増築した建物の資料が見つからない」

「登記簿と現況が違うことを初めて知った」

という段階でも、不動産会社への相談は可能です。

例えば、

  • 土地・建物の登記内容の確認
  • 固定資産税関係資料の確認
  • 建築確認関係書類の調査
  • 現地での建物状況の確認
  • 役所調査
  • 不動産査定
  • 売却方法の検討

などを先行して進められる場合があります。

登記内容の不一致があるからといって、すぐに売却を諦める必要はありません。

まずは、どのような問題があるのかを整理することが大切です。

 

11.レジスタでは建築知識を活かした相続不動産の調査・売却を行っています

レジスタ合同会社では、相続した実家・土地・マンション・収益不動産などの売却相談を承っています。

相続不動産の売却では、相続登記などの手続きだけでなく、建物そのものの調査が重要になることがあります。

例えば、

  • 登記簿と実際の建物が異なっている
  • 未登記の増築部分がある
  • 建築確認関係書類が残っていない
  • 建物の構造や床面積が不明確
  • 敷地内に未登記の倉庫がある
  • 土地の境界や接道に問題がある

といったケースです。

弊社では、不動産仲介業務と建築に関する知識を活かし、現地調査・役所調査・売却査定を行っています。

また、必要に応じて土地家屋調査士・司法書士・弁護士などの専門家と連携し、登記や相続に関する問題を整理しながら売却方法を検討します。

相続不動産は、登記簿に記載されている情報だけで判断できるとは限りません。

実際に建物を確認し、過去の資料や役所の情報と照合することで、初めて分かる問題もあります。

「登記簿と実際の建物が違っていた」

「増築部分が未登記だった」

「売却前に登記を修正するべきか分からない」

「相続登記がまだ終わっていない」

このような段階でも構いません。

まずは現在の状況を整理するところからご相談ください。

相続不動産の売却でお困りの際は、レジスタ合同会社までお気軽にお問い合わせください。

 

まとめ|登記簿と実際の建物が違っても、売却方法は検討できます

相続した実家の登記簿と実際の建物が異なる場合でも、売却できる可能性はあります。

ただし、不一致の内容によっては、登記の修正や建築関係の調査が必要になることがあります。

特に重要なのは、次の4点です。

  1. 登記簿の床面積・構造・階数などを確認する
  2. 実際の建物や建築確認関係書類と照合する
  3. 登記の問題と建築基準法上の問題を分けて考える
  4. 修正費用や買主の融資への影響を踏まえて売却方法を検討する

相続不動産では、親御様が長年所有していた建物であっても、売却準備を進める中で思いがけない問題が見つかることがあります。

だからこそ、登記内容だけでなく、現地の建物や建築関係の資料を確認することが大切です。

登記簿と現況が異なる相続不動産の売却についても、レジスタ合同会社までお気軽にご相談ください。

 

レジスタ合同会社
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