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ナフサ不足が不動産業界にもたらす影響は?そもそもナフサ由来って何?
中東情勢の悪化の影響で「ナフサ価格の高騰」や「ナフサ不足」というニュースを耳にする機会が増えています。
一見すると石油化学業界だけの話に思えますが、実は不動産業界、とくに建築・リフォーム・設備分野にも大きな影響を与えるテーマです。
今回のブログでは、
・そもそもナフサとは何か?
・“ナフサ由来”の建材とは?
・ナフサ不足で不動産業界はどう変わるのか?
について、わかりやすく解説します。

そもそも「ナフサ」とは?
ナフサとは、原油を精製する過程で取り出される石油製品の一種です。
主にプラスチックや化学製品の原料として使用されます。
簡単にいうと、「あらゆる樹脂製品の“もと”になる素材」です。
実は、私たちの身の回りにはナフサ由来の製品が非常に多く存在しています。
「ナフサ由来」の代表例
不動産・建築業界で使われるナフサ由来製品には、以下のようなものがあります。
【建材関係】
・塩ビクロス(壁紙)
・フローリング表面材(シートタイプのフローリング)
・クッションフロア
・防水シート
・断熱材
・コーキング材
・接着剤→先日建材商社から「メーカー在庫も問屋在庫もない」と言われました。
【設備関係】
・給排水管(塩ビ管)
・エアコン部材
・電線被覆
・樹脂製配管
【その他】
・ビニール養生材
・梱包材
・プラスチック製品全般
つまり、現代の建築は“ナフサなしでは成立しにくい”と言っても過言ではありません。
なぜ今「ナフサ不足」が問題になっているのか?
背景には複数の要因があります。
①中東情勢の悪化
最も大きな要因が中東での戦争と言われています。
毎日のように中東情勢が報道されていますが、ホルムズ海峡からの原油輸送がほぼ停止していることで世界的に原油不足に陥っているという現実があります。
②原油価格の上昇
中東情勢や世界的インフレの影響で、原油価格が高騰するとナフサ価格も上昇します。
これにより、建材メーカーの製造コストが上がり、
・建材価格の値上げ
・設備価格の上昇
・資材不足
へつながります。
③世界的な物流混乱
コロナ禍以降、
・コンテナ不足
・船便遅延
・国際物流費高騰
などが続き、化学原料の流通が不安定になりました。
④ 国内石油化学産業の縮小
日本国内では石油化学プラントの統廃合も進んでいます。
人口減少による需要縮小や、海外との価格競争によって国内供給力が低下している点も影響しています。
ナフサ不足が不動産業界にもたらす影響
① 建築コスト上昇
もっとも大きい影響がこれです。
ナフサ由来建材は非常に多いため、原材料価格が上がると建築費全体に波及します。
特に影響が大きいのは、
・新築マンション
・木造アパート
・商業施設
・内装工事
・リノベーション工事
などです。
② 修繕費・原状回復費の上昇
賃貸オーナーにとっても無関係ではありません。
例えば、
・クロス張替え
・CFシート交換
・配管交換
・防水工事
などはナフサ由来製品の使用率が高いため、原状回復費や修繕費が上昇しやすくなっています。
特に事業用テナントでは内装工事費への影響が大きく、「以前より坪単価がかなり上がった」という声も増えています。
③ 工期遅延リスク
材料不足が起きると、
・納期未定
・一部建材の欠品
・設備機器の長納期化
が発生します。
結果として、
・引渡し延期
・オープン遅延
・テナント入居遅れ
などのリスクにつながります。
先日大手住宅設備機器メーカーのTOTOがユニットバス(システムバス)の受注停止、そして受注再開の報道がありました。
しかし実際は受注は受け付けているものの受注再開から現場への納品・施工が行われていません。
弊社も建築工事を手掛けるため建材商社と協議しましたが、「現時点ではオーダーを入れても納期がいつ出てくるか分からない状態」という回答でした。
大手一社の生産・納品が滞ると同業他社にもしわ寄せがいき、業界全体が停滞する、ということが現実的に起こっているのです。
④ 不動産価格への波及
建築コスト上昇は最終的に不動産価格や賃料へ転嫁されます。
特に東京23区では、
・新築価格高騰
・利回り低下
・建築費上振れ
が続いており、収益不動産の価格形成にも影響しています。
今後、不動産オーナーが意識すべきこと
◎修繕計画を早めに見直すこと
資材価格は今後も不安定な可能性があります。
そのため、
・大規模修繕
・防水工事
・配管更新
・空調更新
などは、先延ばしにするほど高くなるケースもあります。
◎テナント工事費の想定を甘く見てはいけません
事業用不動産では、
・内装工事
・原状回復
・設備更新
の費用上昇がかなり顕著です。
出店計画やリーシング戦略では、工事費増加を前提に考える必要があります。
“建築コスト込み”で収益計算する時代へ
以前は、
「土地が安ければ成立する」
という投資もありました。
しかし今は、
・建築費
・修繕費
・設備更新費
の上昇リスクを含めて収益計算する必要があります。
特に新築収益物件では、建築費の変動が利回りに直結するため注意が必要です。
まとめ
ナフサは単なる化学原料ではなく、現代建築を支える重要な基盤素材です。
そしてナフサ不足や価格高騰は、
・建築費上昇
・修繕費増加
・工期遅延
・不動産価格高騰
という形で、不動産業界へ大きな影響を与えています。
今後は、「不動産価格だけを見る時代」から「建築コストや維持コストも含めて考える時代」へ変わっていくかもしれません。
不動産オーナー・投資家・テナント事業者にとっても、ナフサ問題は“知っておくべき経済テーマ”の一つと言えるでしょう。
弊社では、いち早く建築現場の生の声をお届けすることができますので今後の不動産市況に心配のある方はお気軽にご相談いただければと思います。
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