tel. 03-3527-2637

ブログ

カテゴリー:

植物工場は高齢者雇用や地域活性化にも貢献|水耕栽培がつくる「食・雇用・エネルギー」の未来

水耕栽培による植物工場と聞くと、

「室内でレタスを作る施設」

「天候に左右されず野菜を作る工場」

というイメージを持たれる方が多いのではないでしょうか。

確かに、植物工場の大きな役割の一つは、野菜を安定して生産することです。

異常気象や酷暑が続き、日本の食料自給率が低い水準にある現在、国内で安定的に食料を生産できる方法を増やすことには大きな意味があります。

しかし、私たちが実際に水耕栽培の事業に関わって感じている植物工場の可能性は、それだけではありません。

実際の植物工場では、近隣に住む高齢者や障がいのある方などが働いている事例があります。

つまり植物工場には、

「食料をつくる」

だけではなく、

「仕事をつくる」

「地域で消費する」

「使われなくなった建物を再利用する」

といった可能性もあります。

さらに、植物工場で大きな課題となる電力についても、太陽光発電や蓄電池などのエネルギー設備と組み合わせることで、新しい事業モデルを考えられる可能性があります。

今回は、植物工場を「野菜を生産する設備」という視点から少し広げ、食料自給率、地産地消、雇用、地域活性化、そしてエネルギーとの関係について考えてみたいと思います。

 

植物工場は「人がいらない工場」ではない

植物工場という言葉から、

「すべて機械化されていて、人はほとんど必要ないのでは?」

と思われる方もいるかもしれません。

確かに、水耕栽培では水や養液、照明、温度などを設備によって管理することができます。

しかし、実際の植物工場には人の手を必要とする仕事もあります。

例えば、

播種、定植、栽培管理、収穫、選別、包装、清掃、出荷準備などです。

もちろん施設や栽培方式によって仕事内容は異なりますが、すべてを自動化しなければ植物工場が成立しないわけではありません。

むしろ、どこまで機械化し、どこを人の仕事として残すのかによって、その植物工場の役割も変わってきます。

 

高齢者や障がいのある方が働く場所にもなる

弊社が関わっている植物工場でも、近隣にお住まいの高齢者や障がいのある方などが働いています。

これは植物工場の非常に重要な一面だと考えています。

農業というと、炎天下での作業、重い農機具の使用、長時間の屋外作業などをイメージする方も多いと思います。

一方、植物工場では施設内で行える作業が多く、工程を細分化することも可能です。

そのため、仕事内容や設備を適切に設計すれば、多様な人が参加できる職場をつくれる可能性があります。

農林水産省も、農業と福祉を連携させる「農福連携」を推進しています。

農福連携は、障がいのある方などの就労や生きがいづくりだけでなく、高齢化や担い手不足が進む農業側にとっても、新たな働き手の確保につながる取り組みと位置付けられています。

 

実際に「植物工場×障がい者雇用」の事例もある

これは理想論だけではありません。

農林水産省が紹介している沖縄県の植物工場の事例では、水耕栽培によって葉野菜を生産しながら、あえて過度な自動化をせず、人の手を活かすことで障がいのある方の雇用機会を生み出しています。

同事例では、天候に左右されにくい植物工場によって年間を通した野菜の安定供給を行いながら、障がい者の就労も支援しています。

つまり、

「自動化して人件費を徹底的に減らす」

だけが植物工場の考え方ではありません。

地域に仕事をつくることも含めて事業を設計する。

そんな植物工場があってもよいのではないでしょうか。

 

「地産地消」と植物工場は相性が良い

植物工場にはもう一つ、大きな可能性があります。

それが地産地消です。

例えば、地域に植物工場をつくり、そこで生産した野菜を、

地域のスーパー、飲食店、学校、病院、福祉施設、社員食堂などへ供給する。

遠くの産地から大量の野菜を運ぶだけではなく、

「地域でつくって、地域で食べる」

という流れです。

植物工場で年間を通した計画生産ができれば、地域内の需要に合わせた生産計画を検討しやすくなります。

輸送距離を短くできれば、物流面でのメリットも期待できます。

そして地域で働く人が、地域で食べる野菜をつくる。

これは単なる農業ではなく、地域経済の循環にもつながります。

 

空き工場・廃校・遊休施設を再び地域の拠点へ

植物工場は、不動産活用という面でも興味深い事業です。

条件が合えば、

空き工場、倉庫、廃校、遊休施設などを植物工場として活用できる可能性があります。

弊社が取引している水耕栽培の研究・開発・コンサルティング企業でも、廃校などを活用した水耕栽培の取り組みが行われています。

人口減少によって使われなくなった施設を、

「壊す」

「そのまま放置する」

だけではなく、

「食料を生産する場所へ変える」

という選択肢です。

そこに地域雇用まで生まれれば、

遊休不動産の活用 → 植物工場 → 地域雇用 → 地産地消

という循環が生まれます。

 

食料自給率向上だけではない植物工場の社会的役割

植物工場について発信すると、どうしても「食料自給率」という大きなテーマが中心になります。

もちろん、それは非常に重要です。

しかし植物工場一つで、日本の食料自給率の問題をすべて解決できるわけではありません。

むしろ私たちは、

食料の安定生産、地域雇用、農福連携、遊休施設活用、地産地消、新しい農業への参入

といった複数の社会課題に同時に取り組める可能性があることに注目しています。

一つの植物工場が地域にできれば、そこで野菜だけが生まれるのではありません。

「仕事」や「地域とのつながり」まで生み出せる可能性があります。

 

一方で、植物工場には「採算性」という大きな課題がある

ここまでメリットを紹介してきましたが、植物工場について良い面だけをお伝えするつもりはありません。

植物工場には大きな課題があります。

それが事業採算です。

過去には、多額の設備投資を行ったものの、想定した生産量を確保できなかったり、電気代や人件費などの運営費が重くなったりして、事業継続が難しくなったケースもあります。

植物工場は、

「野菜を作れる設備を導入すれば成功する」

というビジネスではありません。

栽培技術だけでなく、

設備投資、生産量、販売単価、販路、人件費、電気代、水道代、設備更新費、建物コスト

まで含めて事業計画を考える必要があります。

だからこそ私たちは、最初から巨大な設備をつくることだけを考えるのではなく、栽培技術と収支の両面から事業規模を検討することが重要だと考えています。

特に大きい「電気代」をどう考えるか

人工光型の植物工場では、照明、空調、ポンプ、養液循環設備などを稼働させるために電力を使用します。

つまり、電気代は事業収支に直結します。

そこで注目したいのが、再生可能エネルギーとの組み合わせです。

例えば植物工場や隣接地などに太陽光発電設備を設け、発電した電力を自家消費できれば、購入電力量を抑えられる可能性があります。

実際に農林水産省が紹介する施設園芸の事例でも、発電した電気をハウス内で利用し、年間約600万円の電気代削減につながった例があります。

もちろん、植物工場の電力需要と太陽光発電の発電時間が完全に一致するわけではありません。

だからこそ、次に考えられるのが蓄電池です。

 

「植物工場×太陽光×蓄電池」という可能性

太陽光発電は、昼間に発電します。

一方、植物工場は栽培計画に応じて照明や空調などを使用します。

そこで、

太陽光で発電する

植物工場で自家消費する

余剰電力や電力使用時間を蓄電池で調整する

という仕組みを検討することができます。

設備構成や採算性については案件ごとの詳細な検討が必要ですが、

「野菜をつくる設備」

「電気をつくる・貯める設備」

を別々に考える必要はありません。

農林水産省も、再生可能エネルギーについて、農業経営の改善や地域活性化につなげる考え方を示しています。

 

さらに考えてみたい「植物工場×系統用蓄電池」

ここからは、現在一般的に確立された植物工場の収益モデルというより、弊社が今後可能性を感じている考え方です。

弊社では現在、系統用蓄電池の土地、権利付き案件、完成物件なども取り扱っています。

系統用蓄電池は、電力市場などを活用して収益を得る事業です。

もし将来的に、

植物工場

再生可能エネルギー

蓄電池事業

を適切に組み合わせることができれば、

「野菜販売だけですべての設備投資と運営費を回収する」

という従来型の植物工場とは違った事業モデルを考えられるかもしれません。

例えば、発電設備によって植物工場の電力コストを抑える。

一方で、蓄電池については電力市場等から収益を得る。

そしてエネルギー事業から得られる収益が、植物工場という食料生産事業の安定運営を支える。

もちろん、系統接続、設備構成、電気事業上の制度、投資額、電力市場収益、補助制度、土地条件など、多くの検討が必要であり、単純に併設すれば成立するものではありません。

それでも私たちは、

「農業は農業」

「発電は発電」

「蓄電池は蓄電池」

と分けるのではなく、相互に支え合う事業モデルを検討する価値があると考えています。

 

野菜を永続的に安定供給できる仕組みをつくりたい

植物工場の本来の目的は、立派な設備をつくることではありません。

野菜をつくり続けることです。

どれほど高性能な植物工場でも、採算が合わず数年で閉鎖してしまえば、地域への食料供給も雇用もそこで止まってしまいます。

だからこそ、

食料生産

地域雇用

地産地消

遊休不動産活用

再生可能エネルギー

蓄電池

を一つの循環として考えてみる。

発電によってエネルギーコストを抑え、エネルギー事業から別の収益源もつくり、その収益基盤が食料生産を支える。

そして植物工場では地域の高齢者や障がいのある方などが働き、そこで生産した野菜を地域で消費する。

私たちは、このような好循環が実現し、野菜が永続的かつ安定的に供給される仕組みが各地域に広がってほしいと考えています。

 

レジスタができること

弊社レジスタ合同会社では、水耕栽培の研究・開発・栽培指導・コンサルティングを行う専門企業と継続的に取引しています。

弊社自身が水耕栽培の研究を行うわけではありませんが、専門企業との連携に加えて、

栽培ラックや照明器具などの設備・部材の納品、関東圏での関連工事、植物工場に適した工場・倉庫・土地などの不動産探し

をお手伝いしています。

さらに現在は系統用蓄電池に関する不動産や事業案件にも取り組んでいます。

そのため今後は、

「植物工場を始めたいので専門家に相談したい」

「空いている工場や倉庫を活用したい」

「植物工場用の土地・建物を探したい」

「太陽光や蓄電池との組み合わせを検討したい」

といったご相談についても、それぞれの専門企業と連携しながら対応していきたいと考えています。

 

まとめ|植物工場でつくるのは「野菜」だけではない

水耕栽培による植物工場が生み出すものは、野菜だけではありません。

地域の仕事をつくる。

高齢者や障がいのある方が活躍できる場所をつくる。

地域で生産し、地域で消費する。

使われなくなった工場や施設に新しい役割を与える。

そして再生可能エネルギーや蓄電池を組み合わせることで、食料生産を長期的に支える仕組みをつくる。

植物工場には、こうした可能性があります。

食料自給率の向上という大きな課題だけを見るのではなく、

「この地域で誰がつくるのか」

「誰が働くのか」

「どこで消費するのか」

「どのエネルギーでつくるのか」

「どうすれば10年、20年と事業を継続できるのか」

まで考える。

それが、これからの植物工場に求められる視点ではないでしょうか。

弊社も不動産・設備・エネルギーという立場から、植物工場が一時的なブームではなく、地域に根付き、長く食料を供給し続ける事業になることを願い、今後も情報発信と事業支援を続けていきたいと考えています。

 

レジスタ合同会社
東京都中央区日本橋人形町3-3-5天翔日本橋人形町ビル206
▶お問い合わせはこちら

宅地建物取引業免許 東京都知事(2)第101770号
建設業許可 東京都知事許可(般-6)第150822号

【運営サイト】
コーポレートサイト
レジスタの賃貸サイト
テナントショップ人形町
外国人技能実習生賃貸ナビ
不動産売却LP
【SNS】
X(旧ツイッター)
Facebookページ
インスタグラム