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減価償却を目的に一棟アパートを買うときに知っておきたい基本|節税効果と注意点を解説
「一棟アパートを購入すると節税できると聞いた」
「築古の木造アパートは減価償却が大きい?」
「会社の利益が出ているので、不動産投資で税負担を抑えたい」
会社経営者や高所得者の方が一棟アパートの購入を検討する際、減価償却による税務上の効果を重視されることがあります。
特に中古の木造アパートでは、一定の条件を満たすと建物の取得価額を比較的短い期間で減価償却できるため、関心を持つ投資家も少なくありません。
しかし、減価償却を目的とした不動産投資には注意点もあります。
例えば、減価償却によって税務上の利益が減少しても、実際のキャッシュフローが増えるとは限りません。
また、購入時には税負担を抑えられても、将来売却する際に税負担が大きくなる可能性があります。
今回は、東京23区を中心に一都三県の収益不動産を取り扱うレジスタ合同会社が、減価償却を目的に一棟アパートを購入する際に知っておきたい基本と注意点を解説します。

1.そもそも減価償却とは?
減価償却とは、建物や設備などの取得費用を、税務上定められた期間にわたって経費として計上する仕組みです。
例えば、1億5,000万円の一棟アパートを購入した場合、その購入価格のすべてを購入した年の経費にできるわけではありません。
土地と建物では、税務上の取扱いが異なります。
- 土地:原則として減価償却できない
- 建物:法定耐用年数などに応じて減価償却する
- 建物附属設備:設備の種類に応じて減価償却する
例えば、購入価格1億5,000万円の内訳が、
土地:9,000万円
建物:6,000万円
だった場合、原則として減価償却の対象となるのは建物部分の6,000万円です。
実際には建物附属設備の区分なども確認する必要がありますが、土地と建物の価格内訳が減価償却の計算に大きく影響することを理解しておきましょう。
2.木造・鉄骨造・RC造で法定耐用年数が違う
減価償却を考える際に重要なのが、建物構造です。
住宅用建物の主な法定耐用年数は次のとおりです。
| 建物構造 | 法定耐用年数 |
| 木造 | 22年 |
| 軽量鉄骨造(骨格材3mm以下) | 19年 |
| 鉄骨造(骨格材3mm超4mm以下) | 27年 |
| 鉄骨造(骨格材4mm超) | 34年 |
| RC造(鉄筋コンクリート造) | 47年 |
※一般的な住宅用建物の区分です。実際の適用は建物の用途・構造等によって異なります。
法定耐用年数が短いほど、同じ建物取得価額であれば年間の減価償却費が大きくなる場合があります。
そのため、減価償却を重視する投資家の中には、木造アパートを中心に探す方もいます。
ただし、法定耐用年数は建物が使用できる年数を示すものではありません。
税務上の耐用年数と建物の実際の寿命は別のものです。
3.なぜ築古木造アパートは減価償却で注目されるのか?
中古の建物では、一定の条件を満たす場合、法定耐用年数ではなく中古資産の耐用年数を使用できることがあります。
その計算方法の一つが「簡便法」です。
例えば、法定耐用年数22年の木造住宅用建物を、築22年以上経過した状態で購入したとします。
法定耐用年数をすべて経過した中古資産について簡便法を適用できる場合、
22年 × 20% = 4.4年
1年未満の端数を切り捨てるため、耐用年数は4年となります。
つまり、一定の条件下では、建物の取得価額を4年間で減価償却できる可能性があります。
これが、築古木造アパートが減価償却を目的とする投資家から注目される理由の一つです。
ただし、取得後の大規模な資本的支出などによって簡便法を適用できない場合もあります。また、実際の償却費は取得時期や償却方法などによって異なります。
築22年以上の木造アパートなら、必ず4年間で償却できるというわけではありません。
4.1億5,000万円の一棟アパートで減価償却を考える
具体的な数字で考えてみましょう。
例えば、次のような中古木造アパートを購入するとします。
| 項目 | 想定条件 |
| 物件価格 | 1億5,000万円 |
| 土地価格 | 9,000万円 |
| 建物価格 | 6,000万円 |
| 建物構造 | 木造 |
| 築年数 | 25年 |
| 建物の償却耐用年数 | 4年 |
※説明用の仮定です。土地・建物の価格配分は合理的な根拠に基づく必要があります。
仮に建物6,000万円について、4年間の定額法で減価償却できる場合、通年の年間減価償却費は概算で、
6,000万円 ÷ 4年 = 約1,500万円
となります。
※実際の税務計算では償却率、供用開始月、建物附属設備の区分等により金額が異なります。
年間1,500万円程度の減価償却費を計上できるとすれば、税務上の損益に大きな影響を与える可能性があります。
ただし、減価償却費が1,500万円あるからといって、税金が1,500万円減るわけではありません。
減価償却費は課税所得の計算に影響する経費であり、実際の税負担軽減額は適用税率や他の所得、損益通算の可否などによって異なります。
5.減価償却費とキャッシュフローは違う
減価償却を目的とする一棟アパート投資で、特に理解しておきたいポイントです。
減価償却費は、建物の取得価額を税務上の経費として配分するものであり、毎年その金額の現金が出ていくわけではありません。
一方、金融機関から融資を受けて購入した場合には、毎月の借入返済が発生します。
例えば、次のような一棟アパートを考えてみましょう。
年間賃料収入:900万円
年間運営経費:250万円
年間借入返済額:500万円
年間減価償却費:1,000万円
この場合、借入返済後の税引前キャッシュフローは、
900万円-250万円-500万円
=150万円
となります。
一方、税務上の所得計算では、原則として借入金の元本返済は経費にならず、支払利息は一定のルールに従って経費になります。
さらに減価償却費が計上されます。
そのため、現金収支がプラスでも、税務上は赤字になることがあります。
ただし、税務上の赤字がそのまま他の所得と通算できるとは限りません。
特に個人所有の場合には、不動産所得の損益通算に関する制限などを確認する必要があります。
6.個人で購入する場合と法人で購入する場合の違い
会社経営者が一棟アパートを購入する場合、個人名義と法人名義のどちらにするかも重要な検討事項です。
個人名義で購入する場合
個人で一棟アパートを所有する場合、原則として賃料収入は不動産所得として扱われます。
不動産所得で赤字が発生した場合、一定の条件下では給与所得や事業所得などと損益通算できることがあります。
ただし、土地取得に対応する借入金利子に関する制限などがあり、すべての赤字を自由に通算できるわけではありません。
また、不動産所得が赤字であっても、減価償却による節税効果が必ず得られるとは限りません。
法人名義で購入する場合
法人で購入する場合には、建物の減価償却費が法人の所得計算に影響します。
例えば、本業で利益を計上している法人が一棟アパートを購入するケースです。
ただし、法人の所得状況や資金計画、税務上の取扱いによって効果は異なります。
また、既存の事業会社で購入するのか、新たな資産管理会社で購入するのかによっても検討事項が変わります。
個人と法人では、減価償却の効果だけでなく、保有期間中の税金や売却時の税金も異なります。
購入前に税理士と相談し、保有主体を決めることをおすすめします。
7.減価償却を目的とする投資では売却時の税金にも注意
減価償却を目的とする一棟アパート投資では、購入時の税務上の効果だけでなく、将来売却する際の税負担も重要です。
例えば、建物価格6,000万円の中古木造アパートを購入し、数年間で大部分を減価償却したとします。
減価償却が進むと、建物の税務上の未償却残高は小さくなります。
そのため、将来売却する際には、取得費の計算に影響し、売却益が大きくなる可能性があります。
つまり、
購入後に減価償却によって税負担を抑えられても、売却時に税負担が生じる可能性がある
ということです。
特に個人所有の不動産では、譲渡した年の1月1日時点の所有期間が5年以下か、5年を超えるかによって、原則として譲渡所得に適用される税率が異なります。
一方、法人所有の場合は、原則として法人の所得計算に売却損益が反映されます。
そのため、減価償却を目的に購入する場合には、購入時から売却時期まで考えておくことが重要です。
8.減価償却が終わった後の賃貸経営も考える
築古木造アパートを4年間で減価償却する場合、償却期間が終了すると、それまで計上していた建物の減価償却費が大きく減少することがあります。
一方、賃料収入や借入返済は続きます。
その結果、キャッシュフローが大きく変わらなくても、税務上の利益が増加し、税負担が大きくなる可能性があります。
そのため、減価償却を目的とした一棟アパート投資では、
- 減価償却期間中の収支
- 減価償却終了後の収支
- 修繕費の発生
- 借入返済の推移
- 将来の売却価格
- 売却時の税負担
まで考えておくことが重要です。
減価償却期間中だけ有利に見える投資計画になっていないか、確認する必要があります。
9.築古木造アパートは金融機関の融資にも注意
減価償却を目的に築古木造アパートを購入する場合、もう一つ重要なのが金融機関からの融資です。
例えば、築25年の木造アパートは、税務上の簡便法によって短期間で減価償却できる可能性があります。
しかし、金融機関によっては築年数を理由に融資期間が短くなったり、融資額が希望に届かなかったりすることがあります。
融資期間が短くなれば、毎月の返済額は大きくなります。
つまり、
税務上の減価償却では魅力的でも、融資条件を含めるとキャッシュフローが厳しくなる
というケースも考えられます。
そのため、減価償却を目的とする物件探しでは、建物の取得価額だけでなく、金融機関の評価も重要です。
10.減価償却だけを目的に物件を選ばない
一棟アパートの購入では、減価償却による税務上の効果が投資判断の一つになることはあります。
しかし、減価償却だけを目的に物件を購入することはおすすめできません。
例えば、
- 賃貸需要が弱い
- 空室が多い
- 大規模修繕が必要
- 土地の資産価値が低い
- 金融機関の融資条件が厳しい
- 将来売却しにくい
といった物件では、税務上の効果以上に投資リスクが大きくなる可能性があります。
一棟アパートは、減価償却が終わった後も賃貸経営が続きます。
そのため、まずは不動産投資として収益性や資産性を評価し、そのうえで減価償却による税務上の効果を検討することが重要です。
「節税できるから買う」のではなく、「投資として魅力があり、税務上の効果も期待できる物件を選ぶ」
という順番をおすすめします。
まとめ|減価償却を目的に一棟アパートを購入する際のポイント
減価償却を目的とした一棟アパート投資では、次の点を確認することが重要です。
- 土地と建物の価格内訳を確認する
- 木造・鉄骨造・RC造の法定耐用年数を理解する
- 中古建物の減価償却期間を確認する
- 減価償却費とキャッシュフローを分けて考える
- 個人所有と法人所有の税務上の違いを確認する
- 減価償却終了後の税負担を想定する
- 将来売却する際の税金まで考える
- 金融機関の融資条件を確認する
- 賃貸需要や修繕費を確認する
- 節税だけでなく投資全体の収益性を重視する
減価償却は、不動産投資における重要な税務上の仕組みです。
しかし、減価償却による税負担の軽減と、不動産投資としての成功は必ずしも一致しません。
税務上の効果・キャッシュフロー・融資・出口戦略を総合的に考えることが、一棟アパート投資では重要です。
減価償却を意識した一棟アパート購入をご検討の投資家様へ
レジスタ合同会社では、東京23区を中心に一都三県の一棟アパート・一棟マンション・一棟ビルなど、収益不動産の購入をサポートしております。
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減価償却による税務上の効果だけでなく、長期的な収益性と資産価値まで考えた一棟アパート選び。
1億円~2億円程度の一棟アパート購入をご検討の投資家様・会社経営者様は、レジスタ合同会社までお気軽にお問い合わせください。
※本記事は減価償却と不動産投資に関する一般的な情報を解説したものです。具体的な税務上の取扱いや節税効果については、税理士等の専門家へご確認ください。
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