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相続人の一人と連絡が取れない…相続した不動産は売却できる?
親御様が亡くなり、実家や土地などの不動産を相続することになったものの、
「兄弟の一人と何年も連絡を取っていない」
「戸籍を調べたら、知らない相続人がいることが分かった」
「住所は分かるけれど、手紙を送っても返事がない」
「そもそも現在どこに住んでいるのか分からない」
ということがあります。
相続した不動産を売却しようとして初めて、こうした問題が判明するケースも珍しくありません。
では、相続人の一人と連絡が取れない場合、相続した不動産は売却できないのでしょうか?
結論からいえば、連絡が取れない相続人を無視して、そのまま他の相続人だけで売却を進めることはできません。
しかし、だからといって必ず売却を諦めなければならないわけでもありません。
今回は、相続不動産の売却で「相続人の一人と連絡が取れない」という問題が起きた場合の考え方と、どのように解決を目指していくのかを不動産会社の立場から解説します。

相続不動産では「誰が相続人なのか」の確認が重要
相続不動産の売却相談を受けた際、
「相続人は私と弟の2人です」
とお聞きしていたとしても、実際には戸籍を確認しなければ相続人を確定できないケースがあります。
例えば、
- 前婚の子がいた
- 認知された子がいた
- 兄弟姉妹が相続人になるケースだった
- すでに亡くなった相続人に子がいて代襲相続が発生していた
- 相続手続きを長期間行っておらず、さらに次の相続が発生していた
などです。
不動産会社としても、ご家族からお聞きした内容だけで判断するのではなく、司法書士などの専門家と連携して相続関係を確認することが重要になります。
「連絡が取れない」にもいくつかのケースがあります
実務上は、「連絡が取れない」という言葉だけでは状況が分かりません。
大きく分けると、
① 住所も連絡先も分からない
長年疎遠になっていて、現在どこに住んでいるのか分からないケースです。
② 住所は分かるが連絡に反応しない
手紙などを送っても返事がないケースです。
③ 連絡は取れるが遺産分割の話し合いに応じない
相続人であることは認識しているものの、協議に参加してもらえないケースです。
④ 生死も含めて状況が分からない
長期間所在が分からず、親族とも一切連絡を取っていないケースです。
それぞれ対応方法が異なります。
そのため、最初から「この不動産は売れない」と判断するのではなく、なぜ連絡が取れないのかを整理することが第一歩です。
他の相続人だけで遺産分割協議をしてもいい?
相続人の一人と連絡が取れないからといって、その人を除外して遺産分割協議を成立させることはできません。
例えば相続人が4人いる場合、
「3人は実家を売ることに賛成しているから、3人だけで進めよう」
というわけにはいきません。
遺産分割協議を成立させるためには、原則として相続人全員が参加する必要があります。
そのため、まず相続人を正確に確定することが非常に重要になります。
まずは相続人の所在を調査する
連絡先が分からない場合、最初から「行方不明」と決めつけるわけではありません。
戸籍や戸籍の附票などを確認しながら、現在の住所につながる情報を調査していきます。
このような調査は、相続登記などとあわせて司法書士へ相談することが考えられます。
住所が判明すれば、まずは手紙などで連絡を試みます。
長期間疎遠だった相続人に突然、
「実家を売却するので書類に署名してください」
と連絡しても、不信感を持たれてしまう可能性があります。
なぜ連絡したのか、どのような相続財産があるのか、今後どのように進めたいのかを丁寧に説明することが大切です。
本当に所在が分からない場合はどうする?
必要な調査をしても所在が分からず、容易に戻る見込みのない「不在者」に該当する場合には、家庭裁判所へ不在者財産管理人の選任を申し立てる方法があります。
裁判所によると、不在者財産管理人は不在者の財産を管理・保存し、家庭裁判所から権限外行為の許可を得ることで、不在者に代わって遺産分割や不動産売却を行うことができます。
つまり、
「相続人の一人が所在不明だから永久に不動産を売却できない」
とは限らないのです。
ただし、家庭裁判所が関与する手続きですので、期間や費用も考慮する必要があります。
このようなケースでは、弁護士や司法書士などの専門家と相談しながら進めることが重要です。
「連絡を無視されている」と「所在不明」は同じではない
ここは非常に重要なポイントです。
住所が判明していて、単に相手が連絡に応じてくれない場合まで、当然に「不在者」として扱えるわけではありません。
例えば、
「手紙を送ったけれど返事がない」
「電話に出てくれない」
「遺産分割の話をしたくないと言われた」
という状況と、
「長期間行方が分からず、現在どこにいるのか調査しても分からない」
という状況では異なります。
相手の所在は分かっているものの遺産分割協議に応じてもらえない場合には、家庭裁判所での遺産分割調停など、別の方法を検討することになります。
相続人同士で感情的な対立があるケースも
不動産の問題以上に難しいのが、相続人同士の人間関係です。
例えば、
「親の介護をしたのは自分だけだった」
「兄だけ生前に援助を受けていた」
「何十年も家族と疎遠だった」
「実家を売ること自体に納得できない」
など、過去の事情が相続をきっかけに表面化することがあります。
こうなると、不動産会社が仲介役として解決できる範囲を超える場合があります。
法的な争いや相続人間の対立がある場合には、弁護士へ相談することが必要です。
弊社でも、相続案件については状況に応じて司法書士・弁護士の先生方と連携しながら対応しています。
売却価格が決まっていないから話し合いが進まないこともある
一方で、不動産会社が早い段階から関わることで話が進みやすくなるケースもあります。
例えば相続人から、
「実家を売って現金で分けたい」
という意見が出ても、
そもそも実家がいくらで売れるのか分からなければ、具体的な話し合いができません。
仮に、
「3,000万円くらいだと思っていた実家が実際には5,000万円程度で売却できそう」
あるいは反対に、
「建物の老朽化や接道条件などから想定より低い査定だった」
となれば、相続人の判断も変わる可能性があります。
そのため、相続登記や遺産分割が完了する前でも、不動産会社へ査定を依頼して現在の市場価値を把握しておくことには意味があります。
相続人全員が揃うまで不動産会社に相談できない?
そんなことはありません。
「相続人の一人と連絡が取れていないので、問題が解決してから不動産会社へ相談しよう」
と考える方もいらっしゃいます。
しかし、早い段階で不動産会社へ相談することで、
- 不動産の査定
- 登記内容の確認
- 接道状況の確認
- 境界や越境の確認
- 建物の状態確認
- 売却方法の検討
- 必要になりそうな手続きの整理
などを先行して進められる場合があります。
相続関係の整理と不動産調査を並行して行うことで、相続問題が整理された後、売却へスムーズに移行しやすくなります。
相続人が増えるケースにも注意
相続不動産では、調査を進めていくうちに当初想定していたより相続人が増えることがあります。
特に、
代襲相続や数次相続が発生しているケース
では注意が必要です。
「相続人は兄弟3人だけだと思っていた」
ところから戸籍を調査すると、亡くなっている兄弟の子どもが相続人になっていた、さらに別の相続が発生していた、といったこともあります。
相続人が増えれば、それだけ連絡・確認・書類取得などに時間がかかる可能性があります。
だからこそ、相続不動産は早い段階から専門家と連携して整理することが重要です。
2023年から所在不明共有者に関する新しい制度も始まっています
2023年4月施行の改正民法では、所在等が分からない共有者がいる不動産について、裁判所の関与のもと、その共有者の持分を取得したり、一定の場合にその持分を含めて不動産全体を第三者へ譲渡したりする制度も設けられました。
ただし、相続によって共有状態となっている不動産についてこの持分取得・譲渡制度を利用する場合、原則として相続開始から10年を経過していることが必要などの条件があります。
「連絡が取れない相続人がいる」というだけで簡単に利用できる制度ではありませんので、個別案件については専門家への確認が必要です。
相続人の一人と連絡が取れない場合の流れ
一般的には、
① 戸籍を確認して相続人を確定する
↓
② 連絡が取れない相続人の所在を調査する
↓
③ 手紙などで連絡を試みる
↓
④ 不動産の査定・現地調査を進める
↓
⑤ 連絡が取れれば遺産分割について協議する
↓
⑥ 所在不明や協議不成立の場合は専門家へ相談する
↓
⑦ 必要に応じて家庭裁判所での手続きを検討する
↓
⑧ 相続関係・登記を整理する
↓
⑨ 不動産の売却へ進む
という流れが考えられます。
実際には相続関係や不動産の状態によって進め方が大きく異なります。
「相続人と連絡が取れない=売却を諦める」ではありません
相続不動産の相談では、最初からすべてがきれいに整理されている案件ばかりではありません。
むしろ、
「調べてみたら知らない相続人がいた」
「昔から疎遠になっている親族がいる」
「登記名義が何十年も前のままだった」
「相続人が想定より多かった」
といったことが途中で判明するケースがあります。
重要なのは、問題が見つかった時点で諦めることではありません。
現在どこで手続きが止まっているのかを整理し、一つずつ解決方法を検討していくことです。
レジスタでは司法書士・弁護士と連携して相続不動産に対応しています
レジスタ合同会社では、相続した実家・土地・マンション・収益不動産などの売却相談を承っています。
相続不動産については、不動産会社だけでは解決できない問題も少なくありません。
相続人の確定や相続登記については司法書士。
相続人同士の争いや法的手続きについては弁護士。
不動産の調査・査定・販売については弊社レジスタ。
それぞれの専門分野を活かしながら、司法書士・弁護士の先生方と密に連携して案件を進めています。
「相続人の一人と連絡が取れない」
「相続人が何人いるのか分からない」
「まだ相続登記をしていない」
「兄弟で話し合いを始めたばかり」
という段階でも構いません。
まだ売却すると決めていなくても、不動産の査定や状況整理からご相談いただけます。
相続不動産は、途中で想定していなかった問題が出てくることがあります。
だからこそ、問題がすべて解決してから不動産会社を探すのではなく、相続手続きと不動産売却の両方を見据えて早めに準備することが大切です。
相続した不動産についてお困りの際は、レジスタ合同会社までお気軽にご相談ください。
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