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系統用蓄電池の「低圧・高圧・特別高圧(特高)」の違いとは?投資家向けに分かりやすく解説
系統用蓄電池の物件情報を見ていると、
「低圧蓄電所」
「高圧系統用蓄電池」
「特別高圧(特高)蓄電所」
といった言葉を目にすることがあります。
最近では低圧の系統用蓄電池も実際に稼働し始め、系統用蓄電池への投資を検討する方にとって選択肢が広がってきました。
一方、高圧の系統用蓄電池についても引き続き人気があります。
特に、
系統連系の権利が確保された「権利付き土地」
や、
設備工事まで完了した「完成(完工)物件」
については、投資家や事業会社からのお問い合わせも多く、運転開始時期が近い案件ほど売買価格が高くなる傾向も見られます。
また、弊社にも最近、
「そもそも低圧と高圧は何が違うのですか?」
「低圧なら小さい土地でもできるのですか?」
「高圧と特高では投資規模がどのくらい違うのですか?」
といったご質問を、不動産会社や投資家の方からいただくことが増えてきました。
そこで今回は、系統用蓄電池における「低圧・高圧・特別高圧(特高)」の違いについて、不動産・投資の視点も交えながら分かりやすく解説します。

そもそも「低圧・高圧・特高」とは?
低圧・高圧・特別高圧とは、電力系統へ接続する際の電圧や設備規模などによる区分です。
一般的な目安としては、次のように整理できます。
| 区分 | 規模の目安 | 一般的なイメージ |
| 低圧 | 50kW未満 | 小規模 |
| 高圧 | 50kW以上~2,000kW未満 | 中規模 |
| 特別高圧(特高) | 原則2,000kW以上 | 大規模 |
ただし、実際の接続電圧や設備構成は、一般送配電事業者や接続する系統、設備仕様などによって異なります。
そのため、系統用蓄電池の物件を検討する際には、単純に蓄電池容量だけを見るのではなく、
「どの電圧区分で、どのような条件で系統へ接続する計画なのか」
を確認することが重要です。
低圧の系統用蓄電池とは?
低圧は、一般的には50kW未満の規模が目安となります。
高圧や特高と比較すると設備規模が小さいため、系統用蓄電池事業への新しい入口として注目されています。
低圧が注目される理由
低圧の大きな特徴の一つが、比較的小規模な土地でも検討できる可能性があることです。
高圧の系統用蓄電池では、蓄電池設備、PCS、キュービクルなどを配置するため、ある程度まとまった土地が求められます。
さらに大型設備を搬入するための前面道路や接道条件なども重要です。
これに対して低圧は設備自体をコンパクトにできるため、高圧では面積が不足する土地でも検討できる可能性があります。
つまり、
「これまで系統用蓄電池用地として検討しにくかった小規模な土地が候補になる」
という点は、不動産の視点から見ても大きな変化です。
土地取得費や設備投資額を抑えられる可能性もあるため、今後は低圧の系統用蓄電池へ参入する事業者も増えてくると考えられます。
低圧なら簡単にできるわけではない
ただし、
「低圧=どこでも設置できる」
というわけではありません。
低圧であっても、
- 系統への接続可否
- 電力会社との協議
- PCSや蓄電池の仕様
- 道路・搬入条件
- 用途地域などの土地利用規制
- 農地転用等の必要性
- ハザード
- 周辺住宅との距離
- 騒音・安全対策
- アグリゲーターとの連携
- 事業収支
などを確認する必要があります。
特に系統用蓄電池は、土地があるだけでは事業化できないという点が一般的な不動産投資との大きな違いです。
低圧で土地のハードルが下がったとしても、系統接続や収益モデルまで含めて事業性を判断する必要があります。
高圧の系統用蓄電池とは?
現在、系統用蓄電池の売買市場で多く見られるのが高圧案件です。
一般的には50kW以上2,000kW未満が一つの目安となります。
弊社へお問い合わせいただく投資家や事業会社からも、
「高圧の権利付き土地を探している」
「完成済みの高圧蓄電所を購入したい」
といったご相談があります。
低圧が登場したからといって、高圧の人気がなくなったわけではありません。
むしろ、投資対象として一定規模の事業を行いたい投資家にとって、高圧は引き続き重要なカテゴリーになっています。
なぜ「権利付き土地」が取引されるのか?
ここが普通の不動産と系統用蓄電池の大きく異なるところです。
系統用蓄電池は、
土地を購入すれば事業を始められるわけではありません。
土地を確保した後にも、
系統接続の検討
↓
接続検討
↓
系統連系に関する各種手続き
↓
工事費負担金等の確認
↓
設備設計
↓
造成・設備工事
↓
連系・運転開始
といった工程があります。
さらに、系統の状況によっては希望する条件で接続できないこともあります。
そのため、系統連系に関する手続きが進み、事業化の確度が高まった土地には、単なる「土地」とは異なる価値が生まれます。
これが、いわゆる「権利付き土地」が取引される理由の一つです。
「運転開始日が近い物件」の価格が高くなるのはなぜ?
最近の系統用蓄電池市場を見ていると、同じ高圧案件でも価格にかなり差があります。
その理由の一つが、
「現在どの段階まで事業が進んでいるか」
です。
例えば、
土地だけの案件
と、
系統連系手続きが進んでいる案件
と、
工事が進み運転開始時期が見えている案件
と、
すでに完成・稼働している案件
では、投資家が負担するリスクが異なります。
運転開始までの期間が長ければ、その間に工事費、設備価格、制度、市場環境などが変わる可能性があります。
一方、運転開始日が近い案件であれば、投資家から見ると、
「いつ頃から収益を生み出せるのか」
を比較的想定しやすくなります。
そのため、事業化の確度が高く、運転開始までの期間が短い案件ほど評価され、価格も高くなる傾向があります。
これは不動産で例えるなら、
更地を購入して賃貸マンションを建設する投資と、すでに完成して入居者も決まっている一棟マンションを購入する投資の違い
に少し似ています。
同じ土地・建物でも、完成までのリスクを誰が負担するかによって投資判断は変わります。
系統用蓄電池でも同様に、「完成までの時間とリスク」そのものが価格に反映されると考えると分かりやすいでしょう。
特別高圧(特高)の系統用蓄電池とは?
さらに規模が大きくなるのが、特別高圧、いわゆる「特高」です。
一般的には2,000kW以上が一つの目安となり、大規模な蓄電所になります。
高圧と比較して、
- 必要となる土地が大きい
- 蓄電池容量が大きい
- 設備投資額が大きい
- 系統連系設備が大規模になる
- 開発・建設期間が長くなりやすい
- 電力会社との系統協議がより重要になる
といった特徴があります。
そのため特高案件では、個人投資家というより、エネルギー事業者、インフラファンド、投資ファンド、大手事業会社などが検討主体となるケースが中心になります。
数十億円規模以上のプロジェクトになることも珍しくありません。
低圧・高圧・特高を不動産投資の視点から比較
投資家の方に分かりやすく整理すると、次のような違いがあります。
| 低圧 | 高圧 | 特高 | |
| 規模 | 小規模 | 中規模 | 大規模 |
| 出力の目安 | 50kW未満 | 50kW以上~2MW未満 | 原則2MW以上 |
| 必要土地 | 比較的小さい | ある程度必要 | 大規模 |
| 投資金額 | 比較的小さい | 中~大 | 大規模 |
| 事業の複雑さ | 比較的低い | 高い | 非常に高い |
| 投資家層 | 法人・個人等 | 法人・投資家・ファンド等 | 大手企業・ファンド等 |
| 物件流通 | 今後増加が期待 | 現在の中心の一つ | 案件数は限定的 |
| 特徴 | 小規模土地も検討可能 | 投資規模と流通性のバランス | 大規模インフラ投資 |
※上記は一般的なイメージであり、個別案件によって異なります。
投資家は「低圧・高圧・特高」だけで判断しないことが重要
系統用蓄電池の物件を見る際に注意したいのは、
「高圧だから良い」「低圧だから投資しやすい」と電圧区分だけで判断しないことです。
例えば高圧案件でも、
「接続検討中」
なのか、
「工事費負担金が確定している」
のか、
「連系予定日が決まっている」
のか、
「EPC工事中」
なのか、
「すでに完成している」
のかで、案件の価値やリスクは大きく変わります。
さらに、
- 土地の権利関係
- 系統連系の進捗
- 工事費負担金
- EPC事業者
- 蓄電池メーカー
- PCS
- 保証内容
- アグリゲーター
- 収益シミュレーション
- 運転開始予定日
- 保険
- 保守管理
- 売却時の出口戦略
なども確認する必要があります。
これは一棟マンションを購入するときに、単に「RC造」「築10年」だけで購入判断をしないことと同じです。
系統用蓄電池も、設備・土地・系統連系・収益・契約を一体として見ることが重要です。
不動産会社にとっても系統用蓄電池の知識が必要に
最近、弊社では不動産会社の方から、
「系統用蓄電池について教えてほしい」
というご相談をいただく機会が増えてきました。
これは今後、非常に重要な動きだと考えています。
全国の不動産会社には、
「長期間売れていない土地」
「資材置場」
「工場跡地」
「倉庫跡地」
「事業用地」
「遊休地」
など、系統用蓄電池の候補になる可能性がある土地情報があります。
これまでであれば、
「住宅には向かない」
「店舗用地としては立地が悪い」
「物流施設には面積が小さい」
として扱いにくかった土地が、系統用蓄電池という新しい用途によって評価される可能性があります。
そして低圧蓄電池が広がれば、これまで高圧では面積などの条件が合わなかった土地まで候補が広がる可能性があります。
不動産会社にとっても、
「この土地は蓄電池用地として検討できないだろうか?」
という視点を持つことが、土地活用の新しい提案につながるかもしれません。
低圧・高圧・特高、それぞれに役割がある
低圧の系統用蓄電池が登場したことで、系統用蓄電池市場はさらに広がりを見せています。
低圧には、
小規模な土地でも検討でき、比較的小さな投資規模から参入できる可能性
があります。
高圧には、
一定規模の事業として運用でき、権利付き土地や完成物件としての流通も進んでいる
という特徴があります。
そして特高は、
大規模な電力インフラ投資として系統安定化に貢献する
という役割があります。
つまり、
低圧・高圧・特高のどれが優れているということではありません。
投資金額、土地、系統接続、事業期間、収益性、リスクなどによって、適した投資対象は変わります。
系統用蓄電池への投資を検討する際には、まずこの3つの違いを理解したうえで、個別案件の内容を確認することが大切です。
系統用蓄電池の物件情報・土地情報について
弊社では、系統用蓄電池について、
土地を売却・賃貸したい土地所有者様
系統連系手続きを進めた権利付き土地を売却・購入したい事業者様
完成(完工)した系統用蓄電池施設を売却・購入したい投資家・事業会社様
系統用蓄電池に適した土地情報をお持ちの不動産会社様
からのご相談を受け付けています。
系統用蓄電池は、土地だけでなく、系統連系、設備、工事、運用など多くの分野が関係する事業です。
弊社でも各分野の事業者と連携しながら、土地情報から権利付き土地、完成物件まで、系統用蓄電池に関する情報をつないでいきたいと考えています。
「所有している土地が系統用蓄電池に使えるか確認したい」
「権利付き土地を探している」
「運転開始時期の近い完成物件を探している」
「不動産会社として蓄電池用地を紹介したい」
といった段階でも、お気軽にご相談ください。
※本記事は系統用蓄電池について一般的な情報を解説したものであり、個別案件の系統接続可否、収益性、投資成果等を保証するものではありません。実際の投資・事業化にあたっては、一般送配電事業者、EPC事業者、アグリゲーターその他の専門事業者への確認が必要です。
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