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食料自給率37%の日本。異常気象時代に注目したい「水耕栽培・植物工場」という選択肢
2026年8月、日本の食料自給率がカロリーベースで37%となり、前年度の38%から1ポイント低下したと報じられました。政府が掲げる2030年度45%という目標にも距離があり、日本の食料自給率は先進国の中でも低い水準にあります。
数字だけを見ると少し遠い話に感じるかもしれません。しかし、今年の夏は40度を超えるような猛烈な暑さが各地で続き、「酷暑」という言葉を毎日のように耳にするようになりました。
この暑さは、私たちの生活だけでなく、農業にも直接影響します。高温や少雨によって野菜の生育や歩留まりが悪化すれば、収穫量が減り、価格が上がります。実際、農林水産省も2026年8月の野菜について、高温や少雨の影響で、ほうれんそうやねぎ、白菜など一部品目の出荷量減少や価格上昇を見込んでいます。
食料自給率、異常気象、農業従事者の減少、農地の問題。
こうした課題を考えたとき、今後ますます重要になる可能性があるのが、水耕栽培による植物工場です。

食料自給率37%という現実
食料自給率とは、国内で消費する食料を、どの程度国内生産で賄えているかを示す指標です。
カロリーベースでは、日本で消費される食料のうち、国内で生産された食料が供給するカロリーの割合を示します。
2024年度は38%でしたが、2025年度は37%へ低下したと報じられています。日本は長年40%を下回る水準が続いており、海外からの食料輸入に大きく依存しています。
海外から食料を輸入できること自体は、日本の豊かな食生活を支える重要な仕組みです。
しかし、
- 異常気象
- 国際紛争
- 円安
- 原油価格の上昇
- 輸送網の混乱
- 輸出国による輸出規制
などが発生したとき、海外依存度の高さはそのまま食料供給リスクにつながります。
食料問題は、単に農業だけの話ではありません。
これからは「食料安全保障」という視点で考える必要があります。
40度を超える酷暑は農業にも大きな影響を与える
近年、日本の夏の暑さは明らかに厳しくなっています。
農林水産省によれば、2025年の日本の夏の平均気温は、統計を開始した1898年以降で最も高く、全国の野菜産地でも高温による生育への影響が顕著になっています。
野菜は工業製品ではありません。
気温、雨量、日照時間、土壌、水分など、さまざまな自然条件によって生育が左右されます。
高温が続けば、
発芽しない、着果しない、成長が遅れる、品質が低下する、病害虫が増える、といった問題が発生することがあります。
その結果、収穫量が減れば市場への供給量も減り、野菜価格が上昇します。
つまり、
異常気象 → 収量減少 → 供給不足 → 野菜価格上昇
という流れが起こり得ます。
食料問題は、最終的には私たち一人ひとりの食卓や家計に影響します。
先日、農業を営む方からご相談をいただきました
弊社のホームページをご覧になった農業を営む方から、先日お問い合わせをいただきました。
その方は農業を行うために農地を購入されたそうですが、実際に農作業を始めようとしたところ、土壌の状態が非常に悪く、トラクターまで壊れてしまったとのことでした。
せっかく農業への意欲を持ち、農地まで取得したにもかかわらず、土壌という大きな壁に直面してしまったのです。
露地栽培では当然ながら、土が重要です。
土壌の状態によっては、
- 排水改良
- 土壌改良材の投入
- 客土
- 深耕
- PH調整
- 肥料設計
などが必要になり、作物を安定して育てられる状態になるまで長い時間を要することもあります。
そこで今回、選択肢の一つとしてご提案したのが、水耕栽培による植物工場でした。
水耕栽培なら「土壌」に依存しない
水耕栽培の大きな特徴は、基本的に土を使わないことです。
植物に必要な水や養分を管理しながら、人工的に栽培環境を整えて植物を育てます。
そのため、
「農地はあるが土壌条件が良くない」
という場合でも、従来の露地栽培とは違ったアプローチを検討することができます。
もちろん、すべての農業を水耕栽培に置き換えられるわけではありません。
それでも、農業を始めたいにもかかわらず、
土壌・気候・季節という条件によって栽培できない
という課題に対して、水耕栽培は新しい選択肢の一つになります。
植物工場とは?
「植物工場」と聞いても、具体的なイメージが湧かない方はまだ多いと思います。
簡単にいえば、
建物の中で、植物に必要な環境を人工的に管理しながら農作物を生産する施設
です。
室内に栽培ラックを設置し、
- 照明
- 水
- 養液
- 温度
- 湿度
- CO2
- 空調
などを管理しながら栽培します。
一般的な畑と大きく違うのは、栽培環境をコントロールできることです。
外が40度近い猛暑でも、豪雨でも、日照不足でも、室内環境を適切に管理することで、安定生産を目指すことができます。
水耕栽培・植物工場は「食料自給率向上の切り札」になり得る
日本の食料自給率を考えるとき、大切なのは単純に国内生産量を増やすことだけではありません。
安定して生産できる仕組みを増やすことも重要です。
植物工場には、
- 天候の影響を受けにくい
- 季節に左右されにくい
- 計画生産しやすい
- 多段式栽培で限られた面積を有効活用できる
- 土壌条件に左右されにくい
- 都市部でも生産拠点を設けられる
- 空き工場や遊休施設を活用できる可能性がある
といった特徴があります。
弊社が継続的に取引している水耕栽培の研究・開発・コンサルティング企業でも、「異常気象でも安定生産」「食料自給率向上」「地産地消」「遊休施設活用」などを事業テーマとして掲げています。
これはこれからの日本にとって非常に重要な考え方ではないでしょうか。
ただし、植物工場は設備を入れれば成功するわけではありません
ここは非常に重要です。
これまで日本でも多くの企業が植物工場事業へ参入してきました。
しかし、設備投資をしたからといって必ず黒字になるわけではありません。
植物工場では、
栽培技術と事業設計の両方
が必要です。
特に重要なのが、
- 栽培期間
- 収穫率
- 電気代
- 水道代
- 人件費
- 設備投資額
- 栽培面積
- 販路
- 販売価格
です。
弊社取引先の資料でも、過去の植物工場事業者の課題について、栽培技術だけではなく、工事費や販売先まで含めた事業設計の重要性が指摘されています。
つまり、
「野菜を作れるか」ではなく「事業として継続できるか」
まで考える必要があります。
弊社の取引先では水耕栽培の研究・開発を続けています
弊社では、水耕栽培の研究・開発、植物工場設計、栽培指導、コンサルティングを行う企業と継続的に取引しています。
同社は植物の生育メカニズムを研究しながら、水耕栽培技術の開発を続けています。
資料では、グリーンリーフレタスについて25日で150gを目標とする栽培技術や、多段式栽培、低水量・省エネルギー化などの研究成果が紹介されています。
また、一般的な葉物野菜だけではありません。
わさびやメロンなど、水耕栽培では難しいと考えられてきた作物についても研究が行われています。
水耕栽培の可能性は、「レタスを室内で作る」というところから、さらに広がりつつあります。
レジスタは設備・不動産の面から植物工場をサポートします
弊社自身が水耕栽培の研究を行っているわけではありません。
研究・栽培技術・コンサルティングについては、専門企業をご紹介します。
一方、レジスタ合同会社では、
植物工場を実際に立ち上げるための設備・建物・土地
という部分をサポートしています。
例えば、
栽培ラックの組立・納品、照明器具などの部材納品、関連する設備工事、工場・倉庫・土地などの物件探しなどです。
不動産会社だからこそ、
「この建物で植物工場はできるのか」
「どのくらいの電気容量が必要なのか」
「給排水設備はどうするのか」
「工場・倉庫を借りるべきか、土地から探すべきか」
といったところからご相談いただけます。
空き工場や遊休不動産の活用にも可能性があります
水耕栽培・植物工場には、不動産活用という側面もあります。
現在使われていない、
- 工場
- 倉庫
- 廃校
- 商業施設
- 事業所
などを植物工場へ転用できる可能性があります。
弊社取引先でも、廃校を活用した水耕栽培やサフラン栽培などの取り組みが進められています。
人口減少によって全国で空き施設が増える一方、食料生産には新しい拠点が必要になっています。
この2つを組み合わせることで、
遊休不動産を新しい農業生産拠点へ変える
という可能性も生まれます。
「農業×不動産×エネルギー」という新しい事業へ
植物工場には電力が必要です。
そのため今後は、
水耕栽培だけでなく、
太陽光発電、蓄電池、省エネルギー設備
などとの組み合わせも重要になってくると考えています。
また、農業・地域活性化・省エネルギー・脱炭素といった事業は、補助金や助成制度の対象となるケースもあります。
レジスタでは今後、
農業 × 不動産 × 建築設備 × エネルギー
という視点から、植物工場事業の情報発信を続けていきたいと考えています。
まとめ|農業を諦める前に「水耕栽培」という選択肢も
今回お問い合わせいただいた農業を営む方のように、
「農業を始めたい」
「農地を購入した」
「しかし土壌条件が悪い」
というケースは今後もあるかもしれません。
従来であれば、長期間の土壌改良を行うか、別の農地を探すという選択肢しかなかったかもしれません。
しかし現在では、
水耕栽培・植物工場
という別の選択肢があります。
日本の食料自給率は37%。
そして、異常気象や酷暑が当たり前になりつつある現在、食料を安定して国内生産できる仕組みを増やすことは、社会全体にとって大きな意味があります。
レジスタ合同会社では、水耕栽培の研究・開発・コンサルティング企業と連携し、植物工場事業への参入をご検討される企業・農業事業者・投資家の方をご支援しています。
栽培技術については専門企業をご紹介し、弊社では設備部材の供給、設備工事、そして不動産会社として植物工場に適した工場・倉庫・土地探しまでサポートします。
「農業を新しく始めたい」
「現在の農地では栽培が難しい」
「植物工場という事業に興味がある」
「空き工場や倉庫を農業に活用したい」
「新規事業として水耕栽培を検討したい」
このような段階からでも、ぜひお気軽にご相談ください。
食料自給率の向上という大きな社会課題を、事業として持続可能な形で支える。
水耕栽培・植物工場には、その一つの可能性があると私たちは考えています。
