カテゴリー:
系統用蓄電池のEPCとは?役割と事業全体の流れを解説
系統用蓄電池について調べていると、「EPC」という言葉を目にする機会が多くなります。
土地、系統連系、工事負担金、蓄電池、アグリゲーターなど、系統用蓄電池事業には多くの事業者が関わりますが、その中でも実際に蓄電所を「形にする」うえで重要な役割を担うのがEPC事業者です。
私自身、先日EPC事業者向けの系統用蓄電池セミナーに参加し、蓄電所を販売する不動産会社や実際に購入・運営する企業のお話を伺う中で、系統用蓄電池は土地を確保するだけではなく、系統連系から設計・造成・電気設備工事・運用までを一つの事業として考える必要があることを改めて実感しました。
今回は、これから系統用蓄電池への投資や土地活用を検討される方に向けて、「EPCとは何か」「どのような役割を担うのか」、そして蓄電所が完成するまでの大まかな流れについて解説します。

EPCとは?
EPCとは、
Engineering(設計)
Procurement(調達)
Construction(建設・施工)
の頭文字を取った言葉です。
簡単にいえば、発電所や蓄電所などの設備を建設する際に、設計から機器調達、施工までを一貫して担う役割を指します。
系統用蓄電池の場合には、蓄電池本体を設置するだけではありません。
蓄電池設備、PCS(パワーコンディショナー)、変圧器、受変電設備、EMS(エネルギーマネジメントシステム)などを組み合わせ、電力系統へ接続して安全に運転できる施設として完成させる必要があります。
そのためEPCは、系統用蓄電池事業における非常に重要な存在です。
系統用蓄電池は「土地+設備」だけでは完成しない
不動産投資の場合、土地と建物を購入し、賃貸することで収益を得るという構造が比較的分かりやすいと思います。
一方、系統用蓄電池はもう少し複雑です。
例えば、
土地 → 適地調査 → 系統連系 → 工事負担金 → 設計 → 機器調達 → 造成工事 → 電気設備工事 → 連系 → 運転開始
という複数の工程があります。
どれだけ条件の良い土地を確保しても、系統へ接続できなければ蓄電所として事業化できません。
逆に系統連系の条件が整っていても、造成や設備工事の費用が大きくなれば、投資採算が合わなくなることもあります。
つまり、系統用蓄電池は不動産・電力・建設という複数分野が組み合わさった事業なのです。
EPC事業者は何をするのか?
案件によって業務範囲は異なりますが、EPCでは大きく「設計」「調達」「施工」を担います。
Engineering|設計
土地条件や系統連系条件を踏まえ、
- 蓄電池の配置
- PCSの配置
- 受変電設備
- 配線
- 基礎
- 搬入経路
- 安全対策
などを検討していきます。
設備容量だけでなく、土地形状や接道状況、周辺環境なども施工計画に影響します。
Procurement|調達
設計内容に基づいて、
- 蓄電池
- PCS
- EMS
- 変圧器
- 受変電設備
- ケーブル・電材
など、必要な設備・資材を調達します。
蓄電池は長期間使用する設備ですので、価格だけでなくメーカー、保証、性能、保守体制なども重要な確認事項になります。
Construction|施工
そして、実際に蓄電所をつくる工程です。
大きく分けると、造成・土木工事と電気設備工事があります。
土地を整備して設備を設置する基礎をつくり、その上に蓄電池やPCS、受変電設備などを設置し、配線・接続を行います。
最終的に各種確認や試運転などを経て、系統へ連系し、運転開始を目指します。
造成工事も非常に重要です
系統用蓄電池というと電気設備に目が行きがちですが、不動産会社の立場から見ると造成工事も事業性を左右する重要なポイントです。
例えば、
- 土地に高低差がある
- 地盤改良が必要
- 排水計画が必要
- 擁壁が必要
- 搬入路を整備する必要がある
といった土地では、造成費用が大きくなる可能性があります。
土地価格が安くても造成費が膨らめば、結果的に総事業費が高くなることがあります。
そのため、「土地をいくらで買えるか」だけではなく、その土地を蓄電所にするためにいくらかかるのかまで見て判断する必要があります。
電気設備工事は蓄電所の中核
もう一つが電気設備工事です。
系統用蓄電池は電力系統へ接続して運用する設備ですから、当然ながら電気工事は事業の中核となります。
蓄電池、PCS、変圧器、受変電設備などを適切に接続し、一般送配電事業者との連系条件に対応した設備を構築する必要があります。
ここは一般的な不動産建築とは大きく異なる部分です。
そのため、系統用蓄電池や電力設備に対応できる施工会社との連携が重要になります。
レジスタ合同会社では造成・電気設備工事会社もご紹介できます
レジスタ合同会社では、系統用蓄電池用地をご紹介するだけでなく、事業化に向けた周辺事業者とのネットワークづくりを進めています。
特に、造成工事・電気設備工事については、弊社と親しくお付き合いしている全国対応可能な企業をご紹介することができます。
もちろん、すべての土地・すべての案件で施工可能という意味ではありません。現地条件、設備仕様、工期、系統条件等を確認したうえで個別に検討することになります。
それでも、
「土地は確保したが、次に誰へ相談すればよいか分からない」
「系統連系を進めた後の施工会社を探している」
「造成と電気設備工事を含めて相談したい」
という事業者様に対して、適切な事業者をつなぐことも、不動産会社である弊社が担える役割の一つだと考えています。
系統用蓄電池事業の全体像
初めて系統用蓄電池を検討される方は、事業を大きく次の流れで考えると分かりやすいでしょう。
① 土地情報の収集・候補地選定
面積、用途地域、接道、周辺環境などを確認します。
↓
② 系統の確認・事業性調査
空き容量や系統設備との位置関係などを確認します。
↓
③ 系統連系に向けた手続き
一般送配電事業者との手続きを進めます。
↓
④ 工事負担金・連系条件の確認
必要となる系統側工事や費用、連系時期などが投資判断に大きく影響します。
↓
⑤ EPC・設備計画
蓄電池、PCS、受変電設備などの仕様を決め、設計・調達・施工計画を具体化します。
↓
⑥ 造成・電気設備工事
土地を整備し、蓄電池設備を施工します。
↓
⑦ 試運転・系統連系
↓
⑧ 蓄電所の運転開始
アグリゲーター等と連携し、電力市場での運用を開始します。
実際には各工程が並行して進む場合もあり、案件によって順序や必要な手続きは異なります。
EPC費用は投資利回りにも影響する
投資家にとってもEPCは重要です。
完成した蓄電所を購入する場合、販売価格だけを見ると、その内訳が分かりにくいことがあります。
しかし実際には、
土地+系統連系に関する権利・費用+工事負担金+蓄電池設備+EPC費用+その他諸経費
などが積み重なって完成案件の価格になります。
そのため、例えば同じ2MW/8MWhの蓄電所でも、土地価格、系統条件、設備メーカー、造成条件、EPC費用などによって総投資額は変わります。
当然、総投資額が変われば想定利回りやIRRも変わります。
完成済み案件を購入する投資家にとっても、「誰がEPCを担当したのか」「どのような設備を使用しているのか」「保証・保守体制はどうなっているのか」は確認しておきたいポイントです。
EPC事業者を選ぶときに確認したいこと
EPCを選定する際は、単純に工事金額だけを比較するのではなく、施工実績、対応可能エリア、設計・調達・施工の担当範囲、蓄電池メーカーとの関係、電気設備工事の体制、造成・土木工事への対応、保証、竣工後の保守体制などを確認することが重要です。
特に系統用蓄電池市場は急速に拡大しています。
参入企業が増えているからこそ、「安く施工できる会社」ではなく「事業を最後まで完成させられる体制がある会社」という視点が重要になるでしょう。
不動産会社がEPCに関わる意味
「なぜ不動産会社がEPCの話をするのか?」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、系統用蓄電池では土地と設備を切り離して考えることが難しいと感じています。
土地を紹介して終わりでは、
「その土地で本当に蓄電所をつくれるのか」
「造成費はいくらかかるのか」
「電気設備工事を誰に頼むのか」
という次の課題が残ります。
そこで弊社では、不動産会社として土地の売買・仲介を担いながら、系統連系やEPC、造成・電気設備工事を担う企業と連携し、事業化までつなぐ役割を目指しています。
すべてを自社で行うのではなく、それぞれの分野に強い企業と協業する。
系統用蓄電池のように専門領域が多岐にわたる事業では、この形が重要だと考えています。
土地所有者・不動産会社・投資家・EPCをつなぐ
レジスタ合同会社が今後目指しているのは、
土地所有者様
↓
不動産会社
↓
系統連系・権利化
↓
EPC・施工会社
↓
投資家・事業者
をつなぐことです。
土地所有者様にとっては土地活用・売却の選択肢となり、不動産会社様にとっては新たな土地情報の出口となり、EPC事業者様にとっては新しい案件につながり、投資家様にとっては新しい投資機会となる。
こうした関係をつくることができれば、単なる土地仲介とは違った不動産会社の役割が生まれると考えています。
系統用蓄電池のEPC・施工についてもご相談ください
現在、レジスタ合同会社では系統用蓄電池に関して、
土地をお持ちの方だけでなく、
「蓄電池事業を始めたい」
「権利付き土地を探している」
「EPC・施工会社を探している」
「造成工事・電気設備工事について相談したい」
「完成した蓄電所への投資を検討したい」
といった事業者様・投資家様からのご相談も歓迎しています。
造成工事・電気設備工事については、全国対応可能な弊社取引先企業をご紹介することも可能です。
案件の段階に応じて、それぞれの専門事業者と連携しながら事業化の可能性を検討してまいります。
まとめ|EPCは「土地」を「蓄電所」に変える重要な存在
系統用蓄電池におけるEPCとは、Engineering・Procurement・Construction、つまり設計・調達・施工を担う重要な役割です。
土地を確保し、系統連系を進めただけでは蓄電所は完成しません。
蓄電池やPCSなどの設備を調達し、造成工事・電気設備工事を行い、実際に運転できる施設へ仕上げて初めて、系統用蓄電池事業がスタートします。
だからこそ、系統用蓄電池への投資を考える際には、
「どんな土地か」
「どんな権利が付いているか」
「どんな設備か」
「誰がEPCを担当するのか」
「完成後に誰が運用するのか」
まで確認することが重要です。
レジスタ合同会社では、土地の売買仲介だけにとどまらず、系統連系、EPC、造成・電気設備工事、そして投資家様への案件紹介まで、各分野の専門企業をつなぐことで系統用蓄電池事業をサポートしてまいります。
関連記事:
・系統連系申込とは?蓄電池事業で最も重要な「権利」を分かりやすく解説
・系統用蓄電池の工事負担金とは?金額が大きく変わる理由を解説【投資前に知っておきたい基礎知識】
レジスタ合同会社
東京都中央区日本橋人形町3-3-5天翔日本橋人形町ビル206
お問い合わせはこちら
宅地建物取引業免許 東京都知事(2)第101770号
建設業許可 東京都知事許可(般-6)第150822号
【運営サイト】
コーポレートサイト
レジスタの賃貸サイト
テナントショップ人形町
外国人技能実習生賃貸ナビ
不動産売却LP
【SNS】
X(旧ツイッター)
Facebookページ
インスタグラム
