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遺言書が見つかったら不動産売却はどうなる?遺産分割協議との違いを解説
親御様が亡くなり、実家や土地などの不動産を相続することになった際、遺言書が見つかることがあります。
例えば、
「父親が亡くなった後、実家の整理をしていたら遺言書が見つかった」
「兄弟で実家を売却する話をしていたところ、遺言書があることが分かった」
「遺言書には長男が不動産を相続すると書かれていた」
「遺言書がある場合でも、相続人全員で話し合う必要があるの?」
といったケースです。
相続不動産の売却では、遺言書があるかどうかによって、相続登記や売却までの進め方が大きく変わることがあります。
今回は、遺言書が見つかった場合の対応と、遺産分割協議との違いについて、不動産会社の立場から分かりやすく解説します。

1.遺言書が見つかったら、まず何をすればよい?
遺言書が見つかった場合、まず確認したいのは遺言書の種類です。
遺言書には主に次のようなものがあります。
自筆証書遺言
遺言者本人が作成する遺言書です。
自宅の金庫や引き出し、重要書類の保管場所などから見つかることがあります。
法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用していない自筆証書遺言については、原則として家庭裁判所での検認が必要です。
封印された遺言書については、家庭裁判所で相続人等の立会いのもと開封する必要があります。
封印された遺言書を見つけても、勝手に開封しないよう注意しましょう。
公正証書遺言
公証人が法律で定められた方式に従って作成する遺言書です。
原本は公証役場で保管され、家庭裁判所での検認は不要です。
法務局で保管された自筆証書遺言
法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用している場合です。
この制度で保管されている遺言書も、家庭裁判所での検認は不要です。
なお、検認は遺言書の状態や内容を確認するための手続きであり、遺言書が法的に有効かどうかを確定するものではありません。
2.遺言書がある場合、不動産は誰のものになる?
例えば、父親が亡くなり、相続人が母親と子ども2人だったとします。
父親の遺言書に、
「所有する自宅の土地および建物を長男に相続させる」
と記載されていた場合、有効な遺言書であれば、その内容に従って長男が不動産を取得することが基本になります。
この場合、遺言書の内容や相続関係に問題がなければ、原則として相続人全員による遺産分割協議を行わずに、相続登記を進められることがあります。
ただし、遺言書の内容が不明確だったり、遺言の有効性に争いがあったりする場合には、別途確認が必要です。
また、遺言書で指定された相続人がすでに亡くなっている場合なども、慎重な判断が求められます。
3.遺言書と遺産分割協議は何が違う?
相続不動産の売却では、この違いを理解しておくことが重要です。
| 比較項目 | 遺言書 | 遺産分割協議 |
| 基本的な役割 | 亡くなった方の意思を示す | 相続人が財産の分け方を決める |
| 誰が決める? | 遺言者本人 | 原則として相続人全員 |
| 不動産の取得者 | 有効な遺言の内容に従う | 相続人全員の合意で決める |
| 相続人全員の合意 | 原則として不要 | 原則として必要 |
| 売却への影響 | 取得者や売却権限の確認が必要 | 協議内容に応じて登記・売却を進める |
例えば、遺言書がなく、相続人が兄弟3人の場合には、誰が実家を取得するのか、売却して代金をどのように分けるのかなどを協議する必要があります。
一方、有効な遺言書で不動産の取得者が明確に指定されていれば、その指定に従って手続きを進めることが基本になります。
遺言書の有無によって、必要な書類や手続きが変わることがあるのです。
4.遺言書があっても、相続人全員で話し合うことはできる?
遺言書がある場合でも、相続人全員が合意し、一定の条件を満たせば、遺言書とは異なる内容で遺産分割を行える場合があります。
例えば、遺言書には長男が実家を相続すると記載されていても、
「実家は売却して、兄弟で代金を分けたい」
という希望があるケースです。
ただし、遺言執行者が指定されている場合や、相続人以外への遺贈がある場合などは、関係者の権利や遺言執行との関係を確認する必要があります。
相続人全員が賛成しているからといって、必ず自由に変更できるわけではありません。
遺言書と異なる内容で手続きを進めたい場合には、司法書士や弁護士などの専門家に確認することが重要です。
5.遺言書が見つかったら、不動産売却はできなくなる?
遺言書が見つかったからといって、不動産売却ができなくなるわけではありません。
重要なのは、誰が不動産を取得することになるのか、誰が売却できる立場にあるのかを確認することです。
例えば、
- 長男が不動産を相続し、その後売却する
- 遺言書で指定された遺言執行者が、権限の範囲内で売却手続きを進める
- 関係者の合意により適法な方法で財産を整理し、売却する
といったケースが考えられます。
ただし、遺言書に「不動産を売却して代金を分配する」といった内容がある場合には、単に特定の相続人が不動産を取得するケースとは手続きが異なることがあります。
売却方法は遺言書の具体的な内容によって変わります。
6.遺言書が見つかっても、遺留分の問題が残ることがある
遺言書がある場合に注意したいのが、遺留分です。
遺留分とは、一定の相続人に法律上保障されている最低限の相続財産に関する利益です。
例えば、父親の遺言書に、
「すべての財産を長男に相続させる」
と記載されていた場合でも、他の相続人が遺留分侵害額請求を行う可能性があります。
遺留分侵害額請求は、原則として金銭の支払いを求める制度です。
そのため、遺留分の問題があるからといって、直ちに不動産を売却できなくなるとは限りません。
しかし、売却代金の使い道や相続人間の調整に影響することがあります。
遺留分をめぐって対立が生じている場合には、弁護士への相談が必要です。
7.遺産分割協議が終わった後に遺言書が見つかったら?
これも注意したいケースです。
例えば、兄弟3人で実家を売却することに合意し、遺産分割協議書を作成した後に、亡くなった父親の遺言書が見つかったとします。
その遺言書に、協議内容とは異なる財産の分け方が記載されていた場合、すでに行った遺産分割協議の効力や、その後の手続きについて検討する必要があります。
ただし、遺言書が後から見つかったからといって、すべての遺産分割協議が自動的に無効になるわけではありません。
遺言書の内容、協議当時の認識、関係者の合意などによって判断が異なります。
遺産分割協議が終わっていても、遺言書が見つかった場合には、そのまま売却を進めず専門家へ確認しましょう。
8.遺言書があっても不動産の調査は必要
遺言書によって不動産の取得者が決まっても、その不動産が問題なく売却できるとは限りません。
例えば、
- 土地の境界が不明確
- 隣地との越境がある
- 接道状況に問題がある
- 建物が未登記
- 増築部分が登記されていない
- 建物が老朽化している
- 私道の通行や掘削について確認が必要
といった問題が見つかることがあります。
相続手続きと不動産の売却準備は、別の視点で考える必要があります。
司法書士が相続登記を進める一方で、不動産会社が現地調査や査定を行うことで、売却までの準備を効率的に進められる場合があります。
9.相続登記が終わっていなくても不動産査定は可能
「遺言書が見つかったけれど、まだ相続登記をしていない」
という段階でも、不動産会社への査定相談は可能です。
例えば、
「実家を相続することになったが、売却するといくらになるのか知りたい」
「遺言書では自分が相続することになっているが、保有するか売却するか迷っている」
「兄弟で話し合うために、不動産の市場価値を把握したい」
といった場合です。
不動産の査定を受けたからといって、必ず売却する必要はありません。
むしろ、相続不動産の市場価値を知ることで、今後の判断材料が増えます。
また、売却を前提に相続登記を進める場合には、売却スケジュールも含めて司法書士と不動産会社が連携することが重要です。
10.遺言書が見つかった場合の不動産売却の流れ
一般的には、次のような流れが考えられます。
① 遺言書の種類と内容を確認する
自筆証書遺言、公正証書遺言などの種類を確認します。
② 必要に応じて検認などの手続きを行う
家庭裁判所での検認が必要か確認します。
③ 相続人・遺言執行者・不動産の取得者を確認する
誰がどのような権限を持つのかを整理します。
④ 不動産の査定・現地調査を行う
現在の市場価値や売却条件を確認します。
⑤ 必要な相続登記などを進める
遺言書の内容に応じて、司法書士と手続きを進めます。
⑥ 不動産の売却活動を開始する
販売価格や販売方法を検討します。
⑦ 売買契約・決済・引渡し
必要な登記や書類を整え、売却を完了します。
なお、遺言執行者による売却など、遺言書の内容によっては手続きの順序や方法が異なります。
11.遺言書がある場合こそ、早めに専門家へ相談することが大切
遺言書が見つかると、
「これで相続手続きは簡単に進む」
と思われるかもしれません。
確かに、有効な遺言書によって不動産の取得者が明確になれば、遺産分割協議が不要になるケースもあります。
一方で、
- 遺言書の内容が不明確
- 遺言書と相続人の希望が異なる
- 遺言書が複数見つかった
- 遺言執行者が指定されている
- 遺留分をめぐる問題がある
- 遺言書が遺産分割協議後に見つかった
といった場合には、専門的な判断が必要になります。
重要なのは、遺言書があるかどうかだけでなく、その内容に応じて適切な手続きを進めることです。
レジスタでは司法書士・弁護士と連携して相続不動産の売却をサポートしています
レジスタ合同会社では、相続した実家・土地・マンション・収益不動産などの売却相談を承っています。
相続不動産の売却では、遺言書の有無や内容によって、必要な手続きが変わることがあります。
また、相続人が想定より多かったり、登記名義が古いままだったり、相続人同士で意見が異なったりと、調査を進める中で新たな問題が判明することもあります。
弊社では、日頃から司法書士・弁護士の先生方と密に連携し、相続手続きと不動産売却の両面から対応しています。
相続登記や遺言書に関する手続きは司法書士、相続人間の法律問題は弁護士、不動産の査定・調査・売却はレジスタ。
それぞれの専門分野を活かしながら、問題を一つずつ整理していきます。
「遺言書が見つかったが、実家を売却できるのか分からない」
「遺言書の内容と家族の希望が異なる」
「まだ相続登記をしていない」
「売却するかどうかも決めていない」
このような段階でも構いません。
相続手続きがすべて終わってからでなくても、不動産の査定や売却方法についてご相談いただけます。
相続した不動産についてお困りの際は、レジスタ合同会社までお気軽にご相談ください。
まとめ|遺言書が見つかったら、まず内容と売却までの手続きを整理しましょう
遺言書が見つかった場合、不動産売却を進めるうえで重要なのは、次の3つです。
- 遺言書の種類・有効性・内容を確認する
- 不動産を取得する人や売却権限を持つ人を確認する
- 相続手続きと不動産売却の準備を並行して検討する
遺言書があることで相続手続きが円滑になるケースもあれば、内容によって新たな問題が生じるケースもあります。
だからこそ、司法書士・弁護士・不動産会社が連携し、相続から売却までの道筋を整理することが大切です。
遺言書が見つかった段階からでも、相続不動産の売却についてレジスタ合同会社へご相談ください。
レジスタ合同会社
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