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系統用蓄電池用地の査定ポイント7選|不動産会社は何を確認しているのか?
系統用蓄電池への関心が高まるにつれ、
「所有している土地が系統用蓄電池に使えるか調べてほしい」
「売却予定の土地を蓄電池事業者にも紹介できないか」
「遊休地があるので、蓄電池用地としての可能性を知りたい」
といったご相談が増えてきました。
また、土地所有者様だけでなく、不動産会社様から系統用蓄電池候補地をご紹介いただく機会もあります。
そこで重要になるのが、その土地が本当に系統用蓄電池事業に適しているのかを確認する「用地査定」です。
一般的な不動産査定では、
「この土地はいくらで売れるのか?」
が大きな目的になります。
しかし、系統用蓄電池用地の場合は少し違います。
最初に確認したいのは、
「この土地で系統用蓄電池事業が成立する可能性があるのか?」
という点です。
土地価格が安く、広い土地であっても、系統連系、接道、造成、法令などの問題によって蓄電池用地として利用できない場合があります。
今回は、弊社が系統用蓄電池候補地の情報をいただいた際に確認するポイントを、7項目に分けて解説します。

1.土地面積・形状|蓄電池設備を配置できるか
まず確認するのが土地の面積と形状です。
高圧の系統用蓄電池では、設備容量や設計によって必要面積は異なりますが、弊社では候補地を探す際の一つの目安として、
200~400坪程度
を想定しています。
ただし、
「200坪以上あれば蓄電池用地になる」
というわけではありません。
系統用蓄電池では、蓄電池本体だけでなく、
- PCS
- 変圧器
- 受変電設備
- その他電気設備
- 設備間の離隔
- メンテナンススペース
- 車両動線
なども考慮して設備を配置します。
そのため、同じ300坪でも正方形に近い整形地と、極端に細長い土地や不整形地では使いやすさが異なります。
面積だけではなく、「実際に設備を配置できる形状なのか」まで確認することが第一歩です。
2.接道・搬入条件|大型車両が現地まで入れるか
一般的な土地査定でも接道は重要ですが、系統用蓄電池では設備搬入という視点が加わります。
蓄電所を建設する際には、蓄電池や電気設備などを大型車両で現地まで運搬する必要があります。
そこで、
- 前面道路の幅員
- 接道間口
- 大型車両の進入可否
- 現地までの道路状況
- 急カーブの有無
- 高低差
- 電柱などの障害物
などを確認します。
弊社では一つの目安として、道路幅員6m程度を候補条件としています。
ただし、前面道路が6mあれば必ず問題ないわけではありません。
例えば現地の前面道路が広くても、そこへ到達するまでに狭い道路があれば、大型設備を搬入できない可能性があります。
通常の物件概要書に記載された「接道○m」だけではなく、工事・搬入まで想定して道路を見ることがポイントです。
3.都市計画・用途地域・地目|法令上利用できる土地か
次に確認するのが、都市計画や土地利用に関する規制です。
系統用蓄電池について、
「住宅を建てるわけではないので、どんな土地にも置けるのでは?」
と思われることがあります。
しかし、実際には土地ごとに法令や自治体の取り扱いを確認する必要があります。
例えば、
- 市街化区域か市街化調整区域か
- 用途地域
- 地目
- 農地法
- 開発許可
- 自治体条例
- その他土地利用規制
などです。
特に注意したいのが農地と市街化調整区域です。
農地であれば農地転用について確認する必要があります。
市街化調整区域についても、地域や計画内容によって個別の確認が必要となり、事業化まで時間を要する可能性があります。
そのため弊社では、まずは市街化区域の土地を比較的検討しやすい候補として考えています。
ただし、都市計画だけを見て一律に可否を判断するのではなく、最終的には自治体等への確認が必要です。
4.造成条件|土地代が安くても工事費が高くならないか
系統用蓄電池用地の査定で、意外と重要なのが造成費です。
例えば、
「郊外に300坪の安い土地がある」
と聞けば、一見すると蓄電池用地として魅力的に感じます。
しかし現地を見ると、
- 土地に大きな高低差がある
- 樹木が大量にある
- 地盤改良が必要
- 残土処分が必要
- 排水設備が必要
- 擁壁工事が必要
ということがあります。
そうなれば、土地取得価格が安くても造成工事に多額の費用がかかります。
系統用蓄電池への投資では、土地代だけではなく、
土地代+造成費+設備費+電気設備工事費+系統関連費用など
を含めた総事業費で採算を考えなければなりません。
したがって、
「土地が安いか」より、「蓄電所として使える状態にするまでいくらかかるか」
という視点が重要になります。
弊社では、造成工事・電気設備工事について全国対応可能な取引先企業とも連携していますので、必要に応じて施工面からの検討につなげています。
5.周辺環境・ハザード|長期間蓄電所を運営できる場所か
系統用蓄電池は、一度設置すると長期間運用する設備です。
そのため、
「設置できるか」だけでなく「長期間安定して運用できる場所か」
という視点も必要になります。
確認したいのは、
- 周辺に住宅が密集していないか
- 隣接地はどのように利用されているか
- 河川との位置関係
- 洪水・浸水リスク
- 土砂災害リスク
- 工事車両が周辺へ与える影響
などです。
系統用蓄電池には安全対策も求められるため、周辺環境との関係は重要です。
また、設備を長期間保有する事業者・投資家から見れば、災害リスクは保険や事業継続性にも関係します。
弊社では候補地募集の段階から、住宅密集地ではないことも一つのポイントとして確認しています。
6.送電線・変電所・系統空き容量|電力系統へ接続できる可能性があるか
ここが、一般的な土地査定との大きな違いです。
系統用蓄電池は、電力系統に接続して充電・放電することで事業を行います。
そのため、
系統へ接続できなければ、土地条件が良くても事業化できません。
候補地を確認する際には、
- 周辺の変電所
- 送電線
- 配電設備
- 公開されている系統情報
- 空き容量
などを確認していきます。
ただし、ここで注意が必要です。
「変電所が近い=接続できる」ではありません。
同じように、
「公開資料で空き容量がある=その土地の蓄電池が必ず接続できる」でもありません。
上位系統の状況や接続方法なども関係するため、公開情報はあくまで一次調査の材料です。
最終的には一般送配電事業者への接続検討等を通じて、
- 接続可能性
- 必要となる系統工事
- 工事負担金
- 連系可能時期
などを確認していく必要があります。
系統用蓄電池では、土地査定と系統調査を切り離して考えられないのが大きな特徴です。
7.事業性|最終的には「儲かる土地なのか」を考える
最後は、これまでの6項目をまとめた事業性です。
系統用蓄電池用地で最も重要なのは、
「蓄電池を置けるか」ではなく「蓄電池事業として成立するか」
という点です。
例えば、面積・接道・法令上の問題がなく、系統連系の可能性があったとしても、
工事負担金が非常に高い。
連系まで長期間かかる。
造成工事が高額になる。
土地所有者様の希望価格が事業収支に合わない。
といった場合には、事業化が難しくなる可能性があります。
逆に、一般的な不動産市場ではそれほど高く評価されていなかった土地でも、
造成しやすく、搬入しやすく、系統条件にも恵まれている
となれば、系統用蓄電池事業者にとって魅力的な土地になる可能性があります。
だからこそ系統用蓄電池用地では、単純な坪単価だけで土地の価値を判断することができません。
一般的な土地査定との違いは?
一般的な土地査定では、
立地・面積・接道・用途地域・周辺相場など
↓
いくらで売却できそうか
という考え方が中心になります。
一方、系統用蓄電池では、
土地条件
+
法令
+
造成
+
系統
+
工事負担金
+
事業開始時期
↓
事業として成立するか
↓
その結果として土地にどの程度の価値を付けられるか
という順番で考える必要があります。
つまり、
「不動産価格の査定」より先に「事業用地としての適性査定」がある
と考えると分かりやすいでしょう。
「変電所の近くに土地があります」だけでもご相談ください
ここまで読むと、
「系統用蓄電池について詳しくないと土地情報を紹介できないのでは?」
と思われるかもしれません。
土地所有者様や不動産会社様が、最初からすべてを調査する必要はありません。
例えば、
「○○県○○市に約300坪の土地があります」
という段階でも構いません。
可能であれば、
- 所在地
- 面積
- 地目
- 現況
- 希望価格
- 公図
- 測量図
- 現地写真
などをご提供いただければ、候補地として確認しやすくなります。
特に不動産会社様の場合、
「普通の土地として売却活動をしているが、蓄電池用地にもなるのでは?」
という情報提供も歓迎しています。
査定した結果「系統用蓄電池には向かない」こともある
系統用蓄電池の土地情報を扱い始めると分かるのですが、候補地として情報をいただいた土地が、すべて事業化できるわけではありません。
むしろ、
調べてみた結果、蓄電池用地としては難しい
というケースも当然あります。
例えば、
「面積も接道も問題ないが系統条件が厳しい」
「系統は良さそうだが農地転用が難しい」
「土地は安いが造成費がかかりすぎる」
といったケースです。
このため、土地所有者様には最初から、
「蓄電池用地なら高く売れる」
と決めつけず、まず適性を確認していただくことをおすすめしています。
売却だけではなく「貸す」という選択肢も
そして最近、弊社が力を入れ始めているのが系統用蓄電池用地の賃貸です。
これまで系統用蓄電池用地というと、
土地を事業者へ売却する
というイメージが強かったと思います。
しかし、
「先祖からの土地なので売りたくない」
「将来子どもへ残したい」
「所有権は残しながら遊休地を収益化したい」
という土地所有者様もいらっしゃいます。
そこで、
土地を売却せず、系統用蓄電池事業者へ長期間貸す
という方法も選択肢になります。
土地所有者様は所有権を残しながら賃料収入を得て、事業者は土地購入の初期投資を抑えて蓄電池事業を行うという考え方です。
土地査定の際には、「売却できるか」だけではなく「賃貸できるか」も含めて検討することで、土地活用の可能性が広がります。
土地から「権利付き土地」へ進める選択肢もある
系統用蓄電池用地のもう一つの特徴が、事業化の進捗によって案件の性質が変わることです。
例えば、
普通の土地
↓
系統連系に向けた手続き
↓
接続条件・工事負担金等の確認
↓
連系承諾
↓
権利付き土地
↓
EPC・建設
↓
完成した蓄電所
という流れがあります。
つまり、土地をそのまま売買するだけでなく、系統連系を進め、事業化の確度を高めてから投資家や事業者へつなぐ方法もあります。
弊社でも土地の仲介だけに限定せず、系統連系申込から権利付き土地、EPC、完成済み蓄電所までを見据えた取り組みを進めています。
不動産会社様からの土地情報も募集しています
系統用蓄電池市場が広がるためには、全国各地の土地情報が必要です。
その意味で、地域の土地情報を持つ不動産会社様の存在は非常に重要だと考えています。
例えば、
- 工場跡地
- 倉庫跡地
- 資材置場
- 遊休地
- 長期間売却できていない事業用地
- 住宅開発には向きにくい土地
などが、新しい候補地になる可能性があります。
「系統用蓄電池について詳しくない」
という不動産会社様でも問題ありません。
土地情報をご提供いただき、弊社や専門事業者と連携しながら事業化の可能性を確認していく方法があります。
まとめ|系統用蓄電池の土地査定は「価格」ではなく「事業性」から始まる
系統用蓄電池用地の査定で確認したい7つのポイントは、
- 土地面積・形状
- 接道・搬入条件
- 都市計画・用途地域・地目
- 造成条件
- 周辺環境・ハザード
- 送電線・変電所・系統空き容量
- 事業性
です。
一般的な不動産査定が、
「この土地はいくらで売れるか」
を中心に考えるのに対し、系統用蓄電池用地では、
「この土地で蓄電池事業を成立させられる可能性があるか」
を確認することから始まります。
そして適地である可能性が見えてくれば、
土地として売却する
土地を事業者へ貸す
系統連系を進めて権利付き土地にする
蓄電所を完成させて投資案件として売却する
など、複数の出口が考えられます。
レジスタ合同会社では、系統用蓄電池用地について、土地所有者様・不動産会社様からの土地情報を募集しています。
また、土地のご紹介だけではなく、系統連系、造成・電気設備工事会社との連携、権利付き土地、完成済み蓄電所など、事業全体を見据えた取り組みを進めています。
「蓄電池用地になるか分からない」段階でも構いません。
まずは土地の可能性を確認するところからご相談ください。
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