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高度地区とは?土地・収益不動産の購入前に知っておきたい建物の高さ制限を解説

不動産の物件概要や重要事項説明書を見ていると、

「高度地区」

という言葉を目にすることがあります。

例えば、

  • 第一種高度地区
  • 第二種高度地区
  • 第三種高度地区
  • 最高限度高度地区

などです。

不動産売買に慣れていない方にとっては、

「高度地区とは何を意味するのか」

「用途地域とは違うのか」

「建物の高さにどのような影響があるのか」

と疑問に感じるのではないでしょうか。

高度地区は、土地にどれくらいの高さ・規模の建物を建てられるかに関係するため、土地や戸建住宅だけでなく、一棟マンション・収益ビルなどの収益不動産を購入する際にも重要な都市計画上の制限です。

今回は、不動産売買で知っておきたい「高度地区」について分かりやすく解説します。

 

高度地区とは?

高度地区とは、用途地域内において、市街地の環境を維持したり、土地利用の増進を図ったりするため、建築物の高さの最高限度または最低限度を定める都市計画上の地域地区です。

国土交通省も、高度地区について「用途地域内において、市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地域地区」と説明しています。

簡単に言えば、

「この地域では、周辺環境を守るため建物の高さを一定の範囲に抑えましょう」

というルールです。

 

なぜ建物の高さを制限するの?

建物を自由に高く建てられると、周辺の住環境にさまざまな影響が出る可能性があります。

例えば、

  • 日当たりが悪くなる
  • 圧迫感が生じる
  • 住宅地の街並みが大きく変わる
  • 北側の住宅が日陰になりやすくなる

などです。

特に住宅地では、隣接する建物への日照や住環境への配慮が重要になります。

そのため、高度地区によって建物の高さや形態を制限し、良好な市街地環境を維持する役割があります。

 

「第一種・第二種・第三種高度地区」とは?

東京都内の物件を調査していると、

第一種高度地区
第二種高度地区
第三種高度地区

という表示を見ることがあります。

これらは主に、北側隣地への日照などを考慮し、建築物の高さを斜線状に制限するものです。

一般的には、

第一種高度地区 → 制限が厳しい
第二種高度地区 → 中間
第三種高度地区 → 比較的緩やか

というイメージで捉えると分かりやすいでしょう。

ただし、実際の制限内容は自治体や指定内容によって異なるため、必ず対象地の都市計画図や条例等を確認する必要があります。

東京都も、高度地区の種類によって高さ制限が異なるため、各自治体の都市計画図等で確認するよう案内しています。

 

高度地区は「建物全体を○m以下」にするだけではない

高度地区という言葉から、

「高さ20mまで」

「高さ30mまで」

のような単純な制限を想像するかもしれません。

しかし、東京都などで多く見られる高度地区では、隣地境界線からの距離に応じて建築可能な高さが変わる斜線型の制限があります。

つまり、敷地のどこでも同じ高さまで建てられるとは限りません。

特に北側隣地境界線に近い部分では建物を低くし、境界線から離れるにつれて高くできるような形になります。

その結果、建物上部が斜めに削られたような形状になることがあります。

住宅街で、

最上階の一部がセットバックしているマンション

を見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

高度地区や斜線制限などが、その建物形状に影響している場合があります。

 

高度地区と「斜線制限」は同じもの?

似ていますが、同じものではありません。

建築物の高さに関する代表的な規制には、

  • 道路斜線制限
  • 隣地斜線制限
  • 北側斜線制限
  • 高度地区による高さ制限
  • 日影規制

などがあります。

東京都も、用途地域や容積率などによって道路斜線・隣地斜線・北側斜線の制限が異なり、さらに高度地区の種類によっても高さ制限が異なるとしています。

つまり、対象地によっては複数の高さ制限を同時に確認する必要があるということです。

実際に建築できる建物の高さは、その中で最も厳しい条件によって決まることがあります。

斜線制限については、近日詳しく解説します。

 

用途地域と高度地区の違い

用途地域と高度地区も混同されやすい言葉です。

用途地域は、

「その地域にどのような用途の建物を建てられるか」

を大きく決める制度です。

【用途地域】

  • 第一種低層住居専用地域
  • 第二種低層住居専用地域
  • 第一種中高層住居専用地域
  • 第二種中高層住居専用地域
  • 第一種住居地域
  • 第二種住居地域
  • 準住居地域
  • 田園住居地域
  • 近隣商業地域
  • 商業地域
  • 準工業地域
  • 工業地域
  • 工業専用地域

以上、13の地域があります。

一方、高度地区は主に、

「建物をどの程度の高さまで建てられるか」

に関係します。

したがって、土地の調査では、

用途地域だけ確認すればよいわけではありません。

同じ用途地域・同じ容積率の土地でも、高度地区が異なれば建築できる建物のボリュームが変わる可能性があります。

 

容積率が同じでも同じ建物が建つとは限らない

これは不動産売買、特に土地や収益不動産を見るうえで非常に重要です。

例えば、2つの土地がどちらも、

  • 土地面積100坪
  • 容積率300%

だったとします。

単純に考えると、

「どちらも延床面積300坪程度まで建てられるのでは?」

と思うかもしれません。

しかし実際には、

  • 高度地区
  • 道路斜線
  • 北側斜線
  • 日影規制
  • 前面道路幅員
  • 建ぺい率
  • 敷地形状

などによって、指定容積率をすべて消化できない場合があります。

つまり、

「容積率300%=必ず300%の建物が建つ」わけではありません。

ここは土地購入時に特に注意したいポイントです。

 

収益不動産の購入でも高度地区は重要

すでに建物が建っている一棟マンションや一棟ビルを購入する場合、

「今の建物があるのだから、高度地区は関係ないのでは?」

と思われるかもしれません。

しかし、収益不動産でも重要です。

なぜなら、不動産投資では出口戦略まで考える必要があるからです。

例えば築40年の一棟マンションを購入し、将来建替えを検討するとします。

その際、

現在と同じ規模の建物がもう一度建てられるとは限りません。

建築後に、

  • 高度地区が変更された
  • 容積率が変更された
  • 日影規制が変更された
  • その他の都市計画・建築規制が変わった

などの事情があると、既存建物と同じ規模で建替えできない可能性があります。

 

既存不適格建築物との関係

建築された当時は適法だったものの、その後の法改正や都市計画の変更によって現在の基準に適合しなくなった建物を、一般的に既存不適格建築物といいます。

例えば、

現在は高度地区によって建築できない高さまで既存建物が建っているケースも考えられます。

既存建物をそのまま使用することと、将来建替えることは別問題です。

建替え時には原則としてその時点の法令に適合させる必要があるため、

「現在10階建てだから、建替え後も10階建てにできる」

とは限りません。

収益不動産を購入する場合には、現在の収益性だけでなく、将来の建替え可能性も確認しておくことが大切です。

 

高度地区は土地価格にも影響する?

高度地区そのものだけで土地価格が決まるわけではありません。

しかし、建築できる建物のボリュームに影響するため、結果として土地評価に影響する可能性があります。

特に、

  • マンション開発用地
  • 一棟収益マンション用地
  • 賃貸併用住宅
  • ビル建築用地

などでは、建築可能な延床面積が事業収支に直結します。

例えば同じ100坪の土地でも、

A土地では延床250坪の建物しか計画できず、

B土地では延床300坪を確保できるのであれば、

賃貸可能面積や販売可能面積が異なります。

デベロッパーや不動産会社が土地を評価するときに、用途地域、容積率、接道だけでなく、高度地区や斜線制限まで確認する理由はここにあります。

 

「一種単価」と高度地区も無関係ではない

以前の記事で「一種単価(一種いくら)」について解説しました。

一種単価は、容積率を考慮して土地価格を比較するために使われる指標です。

しかし、指定容積率が300%あったとしても、高度地区や斜線制限などによって実際には250%程度しか容積を消化できない場合、土地の実質的な利用価値は変わります。

そのためプロの土地評価では、

指定容積率だけではなく、実際にどれだけの建築ボリュームを確保できるか

を見ることが重要です。

高度地区は、一種単価を見る際にも背景として理解しておきたい規制の一つです。

 

高度地区はどこで確認できる?

高度地区は、各自治体が公開している都市計画図や都市計画情報システムなどで確認できます。

東京都内でも、多くの区がインターネット上で、

  • 用途地域
  • 建ぺい率
  • 容積率
  • 高度地区
  • 防火地域・準防火地域
  • 都市計画道路

などを確認できるシステムを公開しています。

ただし、Web上の情報だけで最終判断するのではなく、不動産売買や建築計画を進める場合には自治体の都市計画担当部署や建築指導担当部署などで確認することが重要です。

 

不動産会社はどこまで調査する?

不動産売買仲介では、重要事項説明を行うため、対象不動産に関係する都市計画や建築上の制限を調査します。

例えば、

  • 用途地域
  • 建ぺい率
  • 容積率
  • 高度地区
  • 防火地域・準防火地域
  • 道路種別
  • 接道状況
  • 都市計画道路
  • その他条例

などです。

最近では多くの情報をインターネットで確認できるようになりました。

特に東京23区はインターネットの整備が進んでいます。

しかし、土地の条件や建築計画によって判断が複雑になる場合には、行政窓口への確認が必要になります。

不動産売買では、物件価格や利回りだけでなく、こうした「その土地に何が建てられるのか」という法令調査も非常に重要です。

 

高度地区だけで建築可能な高さは判断できない

ここが今回の記事で最も覚えていただきたいポイントです。

物件概要に、

「第二種高度地区」

と記載されていたとしても、それだけを見て建築可能な高さを判断することはできません。

実際には、

  • 用途地域
  • 建ぺい率
  • 容積率
  • 高度地区
  • 道路斜線
  • 隣地斜線
  • 北側斜線
  • 日影規制
  • 前面道路幅員
  • 地区計画
  • 自治体独自の条例

などを総合的に確認します。

高度地区は、建築可能なボリュームを判断するための一つの重要な条件として理解しておくとよいでしょう。

 

まとめ

高度地区とは、用途地域内において市街地環境の維持や土地利用の増進を目的として、建築物の高さの最高限度または最低限度を定める都市計画上の制度です。

特に東京都内では、第一種・第二種・第三種高度地区などがあり、建物の高さや形状に影響します。

不動産を購入する際には、

「高度地区が何種か」だけではなく、「その結果、実際にどの程度の建物を建築できるのか」

というところまで考えることが重要です。

特に土地や一棟収益不動産の場合には、

  • 建替え可能なボリューム
  • 将来の土地利用
  • 資産価値
  • デベロッパーへの売却可能性
  • 出口戦略

にも関係します。

同じ土地面積、同じ容積率でも、高度地区や斜線制限などによって建築できる建物は異なる可能性があります。

東京都23区を中心に土地・一棟収益不動産の購入や売却をご検討の方は、レジスタまでお気軽にご相談ください。

※本記事は一般的な都市計画・建築規制について解説したものです。実際の建築可能な高さや建築ボリュームは、対象地の指定状況や建築計画によって異なります。具体的な計画については自治体、建築士等への確認が必要です。

 

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