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系統用蓄電池は「土地探し」が最も重要?EPC向けセミナーで学んだ成功のポイント
先日、系統用蓄電池のEPC事業者向けセミナーに参加しました。
実際に蓄電所を販売する不動産会社や、蓄電所を購入・運営している企業の方が登壇され、土地探しから系統連系、工事、販売、運用までの流れを具体的に学ぶことができました。
その中で改めて強く感じたのが、
「系統用蓄電池事業は、設備より前に土地探しが非常に重要」
ということです。
セミナー資料でも、販売工事会社の取り組みとして、最初に「土地探し」「アグリゲーター探し」「メーカー探し」が挙げられていました。
しかし、単純に土地をたくさん集めれば良いという話ではありません。
今回は、EPC向けセミナーで学んだ内容を踏まえながら、なぜ系統用蓄電池では土地探しが重要なのか、そして事業化までにどのようなポイントを確認すべきなのかを、不動産会社の視点から解説します。

なぜ系統用蓄電池では「土地探し」が重要なのか?
系統用蓄電池は、土地がなければ当然設置できません。
しかし一般的な不動産開発との大きな違いは、
「土地があっても事業化できるとは限らない」
という点です。
例えば、
- 面積
- 土地形状
- 用途地域
- 地目
- 接道
- 造成条件
- ハザード
- 周辺環境
- 系統連系の見込み
など、複数の条件を満たす必要があります。
弊社で使用している一次査定でも、土地面積200~400坪程度を一つの目安としつつ、接道、造成、ハザード、送電線・変電所、そして系統連系見込みを重要項目として確認しています。
つまり、
「広い土地を見つける」ことではなく、「事業化できる可能性の高い土地を見つける」こと
が重要なのです。
送電線や変電所が近ければ良いわけではない
土地探しで誤解されやすいのが、
「変電所が近いから大丈夫」
「送電線が近くを通っているから蓄電所に向いている」
という考え方です。
確かに、送電設備との位置関係は重要な確認事項です。
しかし、それだけで系統連系できるとは限りません。
弊社の土地査定シートでも、
送電線・変電所が近いことだけでは系統連系の可否を判断できず、空き容量、接続検討結果、工事負担金、工期などを正式に確認する必要がある
という点を明記しています。
土地探しは重要ですが、その次に「系統」があります。
この二つをセットで考えなければなりません。
土地を見つけた後に「権利化」という工程がある
系統用蓄電池では、
土地を取得して終わりではありません。
一般的には、
土地情報
↓
適地調査
↓
系統連系申込
↓
接続検討・工事負担金確定
↓
連系承諾
↓
権利付き土地
↓
EPC・建設
↓
完工・運用
という流れで事業化が進みます。
特に重要なのが、
「土地」から「権利付き土地」へ進めること
です。
連系承諾を取得することで、単なる土地から、系統用蓄電池事業を進められる可能性の高い案件へと価値が変わります。
セミナーで印象的だった「土地+権利」というビジネスモデル
今回のセミナーで特に興味深かったのが、
EPCまで施工せず、「土地+権利」の段階で案件を販売するビジネスモデル
です。
セミナー資料では、一例として、
土地代1,000万円、工事負担金2,000万円、販促費270万円という前提で、土地+権利までの原価約3,270万円に対し、販売価格8,000万円という収益イメージが示されていました。もちろん連系時期・エリア・案件条件によって価格は大きく変動します。
また資料では、土地+権利販売について、
設備投資を伴わず、施工リスクを抑えながら事業参入できるモデル
として紹介されています。
これは不動産会社にとって非常に興味深い考え方です。
土地を仲介するだけではなく、
土地を事業化できる状態まで進め、その価値を高めて次の事業者や投資家へつなぐ
という役割が生まれるからです。
ただし、土地情報を集めれば成功するわけではない
ここは今回のセミナーを受講して、私自身が一番慎重に考えるようになった部分でもあります。
系統用蓄電池用地は、
土地情報を集めても、すべてが事業化できるわけではありません。
例えば、
土地としては非常に良くても、
- 系統連系が難しい
- 工事負担金が高すぎる
- 連系まで長期間かかる
- 造成費が大きい
- 搬入が難しい
- 許認可に時間がかかる
といった理由で、事業化を見送るケースも考えられます。
そのため、成功のポイントは、
「土地情報の数」だけではなく「初期段階でどこまで精度高く選別できるか」
にあると感じています。
土地査定の精度が事業スピードを左右する
系統用蓄電池市場が拡大すれば、今後ますます多くの土地情報が流通してくると考えられます。
その際、すべての案件について詳細調査を行っていては、時間も費用もかかります。
そこで重要になるのが一次スクリーニングです。
弊社では、
- 面積
- 土地形状
- 都市計画・用途地域
- 地目
- 接道・搬入
- 造成
- ハザード
- 周辺環境
- 送電線・変電所
- 系統連系見込み
- 権利関係
などを確認し、優先順位を付ける仕組みを整えています。
もちろん机上査定だけで最終判断はできません。
最終的には一般送配電事業者の正式回答や、現地・役所・技術面の確認が必要です。
EPCにとっても土地確保は大きな競争力になる
セミナー資料では、系統用蓄電池市場についてEPC側から見た特徴として、
土地+権利でも粗利を確保できることや、売り手市場で販売しやすいこと
が挙げられていました。
一方、EPCまで施工する場合は、蓄電池等の資材費や工事費が大きくなり、高い粗利が期待できる反面、費用負担や施工リスクも大きくなるとされています。
だからこそ、
良い土地を早い段階で確保し、どこまで自社で事業化するかを選択できること
が、EPC事業者にとって大きな強みになるのでしょう。
「土地探し」だけでなく出口まで考えることが重要
土地を見つけた後の出口も重要です。
例えば、
土地のまま売却するのか
連系承諾まで取得して権利付き土地として売却するのか
EPCまで進めて完成した蓄電所として売却するのか
自社で保有して運用するのか
によって、必要な資金、リスク、利益の取り方が変わります。
系統用蓄電池事業では、最初に出口戦略をある程度考えたうえで土地を取得することも重要だと感じています。
不動産会社だからこそできる役割
私たちはEPCメーカーでも、蓄電池メーカーでもありません。
不動産会社です。
だからこそ、
- 地主様との接点
- 不動産会社同士のネットワーク
- 土地調査
- 売買契約
- 投資家とのマッチング
という部分で価値を出せると考えています。
そのうえで、系統連系、EPC、造成工事、電気設備工事、アグリゲーターなど、それぞれの専門会社と協業する。
セミナー資料に示されている「土地探し・アグリゲーター探し・メーカー探し」という役割を一社ですべて抱えるのではなく、専門企業をつなぐことも重要です。
レジスタ合同会社が目指す方向
レジスタ合同会社では現在、
土地情報 → 適地調査 → 系統連系申込 → 権利付き土地 → EPC → 完工物件
という流れを見据えた系統用蓄電池事業のサポート体制づくりを進めています。
単に土地情報を集めるだけではなく、
土地所有者様・不動産会社様・投資家様・事業会社様をつなぐこと
を目指しています。
また、造成工事・電気設備工事については、全国対応可能な取引先企業との連携も進めています。
土地情報をお持ちの方だけでなく、
「権利付き土地を探している」
「EPCを探している」
「完成した蓄電所への投資を検討している」
といったご相談にも対応できる体制を整えていきたいと考えています。
まとめ|重要なのは「土地探し」ではなく「事業化できる土地探し」
今回のEPC向けセミナーを通じて改めて感じたのは、
系統用蓄電池事業の入口は、間違いなく土地探しである
ということです。
しかし、本当に重要なのは単に土地をたくさん集めることではありません。
系統連系・工事負担金・造成・許認可・出口戦略まで考えたうえで、事業化できる可能性の高い土地を見つけること。
そこに事業の成否が大きく関わってくるのだと思います。
土地情報を集め、適地を選別し、系統連系を進め、権利化し、EPC・投資家へつなぐ。
不動産会社がこの役割を担うことで、系統用蓄電池市場に新しい価値を提供できる可能性があります。
レジスタ合同会社でも、今回のセミナーで学んだことを実務へ落とし込みながら、土地情報の収集と事業化支援の両方を進めてまいります。
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